研究分担者 |
湯浅 哲也 山形大学, 工学部, 助教授 (30240146)
平中 幸雄 山形大学, 工学部, 教授 (40134465)
田村 安孝 山形大学, 工学部, 教授 (40171904)
浅井 武 山形大学, 教育学部, 助教授 (00167868)
武田 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10197311)
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研究概要 |
複数の観測画像を用いて,対象の3次元形態特性や,対象システムの動的な機能特性を計測することは,対象を理解する上で極めて有用な手段となる.対象の形状記述が困難であったり,変形の不規則な対象であったりすると,容易なことではない.一方,運動体を3次元モデルで表現し,コンピュータグラフィックスなどを用いて運動を評価することができる.ここでは,観測情報の動体評価の処理と,いくつかの多様な観測画像情報を統合することで,より信頼性が高く効率の良い対象の理解システムを実現することを目指して研究を進めた. まず観測画像の採取と観測情報からの3次元情報の獲得が問題となる.関連した情報と同時に動画像を記録し,関連付けを考慮しながら解析を進めるシステムは,本研究課題の有効な解決手段となる.開発したシステムで有用性が実証されたが,解析処理に対応したソフトウェアの完備が今後の課題である.次いで,3次元情報を簡便な装置で効率的に採取し,計算機上のモデルと対応が取れるシステムの構築を試みた.多視点観測画像列から任意方向の画像列を再構成する手法を追求し,多少のカメラぶれにも頑強で画質のよいものとして実現した. また,異種の観測時系列に基づき,計算機内に3次元モデルを再構成して重ね合わせて心臓の運動機能を評価する試み,運動個体のディジタル模型を用意してのサッカー運動解析法,力学シミュレーション,槍投げ動作解析を進めた.槍投げ動作の力学的な解析では,さらに計算機モデルを向上し,観測データとの照合で,この運動の一層の理解を深めたい. 生理的な活動の画像計測による評価は,臨床の場で多用されている.多種の観測結果を統合し,3次元的な情報を含めて対象機能の一層の理解を支援するシステムの例として,心臓のSPECTとMRI観測をブルズアイ表示上に統合する手法,放射光を用いた新たな画像化手法で得られる異種類の情報の統合を試みた.臨床の場でも容易に使えるシステムとして完成させるのが今後の課題である. さらに,ネットワークでの利用での最適3次元表示方式の検討,医用画像データ利用システムの設計に関する考察を進め,基盤技術としての画像化,画像処理手法についてもいくつかの成果を得た.
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