配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
本研究は,筋収縮と手の運動制御メカニズムの工学的な解明と,バイオミメティックアクチュエータの開発および上肢動力装具の試作を目的とし,本研究ではヒトの母指筋および肘関節筋を対象とした実験と解析およびバイオミメティックアクチュエータの開発を以下の通り遂行した. ・上肢運動ダイナミクスの解析とモデル化 筋と短潜時伸張反射を含む上肢運動制御動特性を定式化するために,ヒト長母指屈筋を対象とした伸展実験を行った.一定張力で等尺性収縮している母指筋に他動的に変位を与え,その時の張力を計測した.伸展量-張力の関係をシステム同定法の一つであるARXを用いて,差分方程式の形で定式化した.また,差分方程式の各パラメータに対する感度解析を行い,バイオミメティックアクチュエータに用いるパラメータの範囲を決定した. ・上肢位置制御メカニズムのモデル化 肘関節屈筋を対象とし,等角速度,外部負荷を与えた時の肘関節角度,関節トルク,筋活動度(全波整流・平滑化筋電図)を計測した.肘関節角度,筋活動度および関節角速度を入力とし,関節トルクを出力とする上肢運動ダイナミクスのモデルを人工ニューラルネットワークを用いて構築した.そして,筋活動度,関節角速度を一定としたときの,関節角度-トルク関係を推定した.その結果,関節角度40度近辺において角速度が低いときには,関節角度が大きくなる(筋が短縮)するとともに,関節トルクが大きくなった. ・バオミメティックアクチュエータの試作 筋収縮力学実験において得られたモデルを取り入れたバイオミメティックアクチュエータシステムの構成を検討した.高性能ワンチップマイクロプロセッサ(H8/3468F,日立製作所)と高出力DCモータ(6watt)を用いた筋電義手を試作した.義手は三指(母指,示指,中指)から構成され,1自由度(開閉動作)を行う.健常者を用いた義手の筋電制御実験を行い,所望の動作を行う事を確認した.
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