研究概要 |
・ポストテンション方式PC部材に電気防食を適用した場合,今回の実験で取り上げた要因によりPC鋼材とシースの防食効果が大きく異なることがあり,綿密な防食管理を行う必要がある. ・シースに欠損が存在することにより,ただちにPC鋼材の防食効果が低下するとは考え難く,防食管理よりは過防食や水素脆化に着目したモニタリングを行うべきである. ・暴露環境が防食電流および防食効果に及ぼす影響が大きいことから,暴露環境が異なる構造物に同一回路で電気防食を適用する場合,それぞれの暴露環境ごとにモニタリングする必要がある. ・PC鋼材の緊張力の影響については,今回の実験範囲では十分な解明に至っておらず,今後,一つの供試体内に配置した緊張力の異なる複数の鋼材を個々に電位測定するなどし,引き続き検討する必要がある. ・電気防食法を適用した際のシースの欠損(配置)や陽極施工状況が防食効果や防食電流に及ぼす影響について定性的に把握できた. ・今後,本解析では取扱っていない,コンクリート抵抗,鉄筋の腐食状況(塩化物量,水分量,酸素量),構造物の形状等について加味した解析モデルを構築する必要がある.
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