配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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研究概要 |
本研究は作用波浪の多方向不規則性と非線形性の両者を考慮した,精度と実用性の高い海浜変形数値予測モデルを開発することを目的とした.磯部が提案した非線形緩勾配方程式に砕波点を自動判定できる砕波減衰項を組み込むことにより,進行波性の砕波変形に関しては自動的に計算を行うことが可能となった.特に非線形緩勾配方程式においては従来再現が困難であった,砕波減衰後のwave setupに関しても精度よく再現することが可能となった.多方向不規則波の砕波に関しては,多方向性および不規則性を表すパラメターをそれぞれ導入することによって,砕波指標に関する基礎的検討を行った.さらに,砕波には進行性のものと重複性のものが存在することに着目し,これらいずれにも対応可能な砕波指標のプロトタイプを提案した.岸側境界条件に関しては,多方向不規則波モデルにおける遡上域の扱いが可能なように改良し,一様斜面上の長波に関する解析解や実験結果との比較を行うことで,その妥当性を検証した. 一方,Boussinesq方程式に,砕波に伴う運動量水平拡散項,および底面摩擦項を組み込むことにより,波浪場と海浜流場を同時に計算可能なモデルを構築した.さらに底面流速の非対称性と流れの共存を考慮し,平面2次元に拡張されたDibajnia and Watanabeの漂砂量算定式を組み込んだ地形変化予測モデルを構築した.これらを組み合わせることで,多方向不規則波浪場における海浜地形変化予測モデルのプロトタイプを提案した. 最後に多方向不規則波平面水槽を用いた各種構造物周りの地形変化実験を実施し,これまでの研究成果を総合してそれらの再現シミュレーションを行った.その結果,本研究で開発した海浜変形予測モデルの妥当性と実務への高い応用性を示すことができた.
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