研究課題/領域番号 |
11450198
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
工藤 章 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (00281113)
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研究分担者 |
佐々木 隆之 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (60314291)
松井 三郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90092808)
菅原 正孝 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60026119)
窪田 卓見 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90335240)
寺島 泰 京都大学, 工学研究科, 教授 (50019717)
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 助手 (50273488)
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (90178145)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 環境プルトニウム / 分析 / 教育 / プルサーマル / 訓練 / プルトニウム / 環境試料 / 前処理 / アルファ線スペクトロメトリー / 電着法 / 分離精製 |
研究概要 |
本研究においては、代表申請者・研究分担者の選任した大学院生・大学の研究者について、もっとも基本的な環境資料中プルトニウムの分析方法の教育・訓練を行ってきた。その指導成果として、以下の知見を得るに至った。1945年8月9日に長崎に投下された原子爆弾は、Puを10-15kg含んでいた。239Pu 1.2kgの核分裂反応は、21kt TNTのエネルギーに相当し、種々の核分裂生成物を放出した。残りの(最大)13.8kgの239+240Puは、核分裂生成物とともに大気中に拡散したことになる。本研究の一環として、このPuおよび137Csの行方について局所的そして、地球的規模での検討を行った。239+240Puの最大濃度は、爆心地から東へ2.8kmのところで、64.5mBq/gであった。その結果、局所的フォールアウト域264平方キロメートルで、37.5gが堆積した計算になった。比較として、137Csは3.14mg。これは、全放出量から見ると、Puで0.27%、Csで0.134%に相当する。一方、近年の分析技術の向上により、北極のアイスコアの1945年に相当する部分から、長崎プルトニウム原爆に相当する人工放射性元素を発見した。カナダのEllesmere島にあるAgassiz氷帽において10本掘削したアイスコアから、この痕跡を発見したのである。降下量は、239+240Puで0.16μBq/cm2、137Csで20μBq/cm2であった。さらにその後の大気中核実験の影響で、PuおよびCsの降下量は増加し、1962年には、239+240Puで50μBq/cm2以上、137Csで800μBq/cm2に達した。これらのデータを多角的に解析することで、長期的な地球規模輸送や核兵器開発の歴史などの多くの知見を得ることができた。
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