研究分担者 |
持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658)
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
内海 康雄 宮城工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (30168728)
佐藤 洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10260423)
小林 仁 宮城工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (80280329)
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研究概要 |
本研究は平成11年度から平成12年度にわたって2年間継続した。研究成果の概要は以下の通りである。 1)アンケート調査 北海道,東北地方及び関東地方に,86戸の住宅を対象としたアンケート調査を実施した。その結果,(1)第3種換気の場合,冷たい外気が室内に直接導入されるため,東北地方,北海道では約半分の住宅で冷気流を感じていることが明らかとなった。(2)約3割弱の住宅で給気口を閉じることがあると答えており,冷気侵入のためという理由が最も多く6割以上も占めている。(3)換気風量,換気設備の維持管理問題,室内環境の問題点などについても明かにした。 2)実住宅における現場実測 第3種換気方式を備えた住宅3戸の建物の気密性能、換気量、給気口付近の気流分布,給気口断面の温度分布等の実測を行った。2戸において冷気流の侵入が見られた。 3)給気口機器の調査 国内外で実際に使われている多種類の給気口を調査分類した。更に検定用小型風洞を用いて,9個の給気口に対して性能実験を行い,給気口機器の資料を整備した。 4)人工気候室における実大居室模型実験 人工気候室内の実大居室の外壁に各種の給気口を設置し,給気口の形状,風量,設置位置,室内外温度差,暖房の設置位置などと室内温度分布の関係を明らかにするための実験を行った。その結果,(1)給気口の吹出し方向は「上向き」,「壁面と平行に放射状」,「壁面とある角度で放射状」,「水平吹出し」の順に上下温度差が大きくなる。「水平吹出し」の場合,規準化上下温度差は最大で約0.3である.(2)給気口を窓の上,壁面の上部,中部,下部に設置した場合,平均規準化上下温度差はこの順に大きい。(3)全般的にみれば給気口の吹出し風速が上下温度差に及ぼす影響は小さいことが明らかとなった。 5)数値計算による検討 標準k-εモデルを用いて実験で用いる居室模型を対象とし、シミュレーションを行い、実験データと照合して妥当性を検討した。次に換気効率と温熱快適性の観点から給気口の吹出し方向の検討を行った。
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