配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
研究概要 |
本研究は,近世の武士住宅の配置平面の原理が,敷地入口方位の違いに関係なく。道側に玄関-座敷の接客空間を面し,その反対側に茶の間,居間などの家族生活空間を配置するという正面型が主流であったことを実証することを第1の目的としている。これは南方位を重視する現代の都市独立住宅の考え方とは大きく異なるものであった。そして,明治以降の近代の都市独立住宅において,近世の武士住宅にみられる正面型の原理が如何に継承され,またはどのように変化したかを明らかにすることを第2の目的としている。これらの目的は,全国の36の城下町都市における住宅調査によって実証されたと思っている。 さらに,近世の武士住宅を地域的視意からみれば,東日本と西日本で平面が異なることを明らかにすることも重要な課題とした。すなわち,近世の武士住宅は城下町都市の地域性,風土性によって様々な形が成立しており,それが近代の住宅まで継承されていた。そしてさらに,明治以降の建築家および住宅研究者によって近世の武士住宅とその様式を受け継いだ近代の都市独立住宅は接客本位であると批判されてきたが,しかし実態においては乖離があったことを明らかにし,在来住宅批判論は誤謬であったと論じている。
|