研究課題/領域番号 |
11450251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
布下 正宏 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (70304160)
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研究分担者 |
鈴木 義彦 大阪府立産業技術総合研究所, 材料技術部, 部長(研究職)
徳田 崇 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (50314539)
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80304161)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 強誘電体薄膜 / チタン酸ジルコン酸鉛 / チタン酸ジルコン酸ランタン鉛 / ペロブスカイト相 / 近接場光学顕微鏡 / 圧電応答顕微鏡 / X線回折測定 / ダイヤフラム型マイクロセンサ / 強誘導体薄膜 / 強誘電体極薄膜 / チタン酸ジルコン酸鉛[PZT] / チタン酸ジルコン酸ランタン鉛[PLZT] / 近接場光学顕微鏡(SNOM) / 原子間力顕微鏡(AFM) / X線回折 / ダイヤフラム型超音波マイクロセンサ / PZT[Pb(Zr,Ti)O_3] / AMF(原子間力顕微鏡) / SNOM(近接場光学顕微鏡) / 微視的光学特性 / RFスパッタ |
研究概要 |
本研究では、ペロブスカイト構造をもつ酸化物強誘電体の極薄膜域での強誘電性および光学的特性を新規な手法によって評価し、その物理に関する洞察を得ることを目的とした。対象材料として、メモリ材料PZT(52/48)および、電気光学材料PLZT(8/65/35)の2種を選択した。独自の評価手法として微視的スケールでの光学特性評価ツールである近接場光学顕微鏡(SNOM)を、同じく微視的な強誘電性の評価手法である圧電応答SPMを駆使し,以下のような重要な知見を得た。 1.Pt/Ti/SiO_2基板上PZT(52/48)およびPLZT(8/65/35)薄膜では、膜厚の増大にともないグレインの直径は増大する。本研究で成膜した膜厚300nm以下の膜厚範囲においては、膜厚の増大に伴う残留分極の増大が確認された。 2.反射型近接場光学顕微鏡(SNOM)観察では、PZTおよびPLZT極薄膜のいずれにおいても、横方向のサイズが数μmとなるコントラストが観察された。このコントラストは強誘電体薄膜の強誘電性と関連をもつと推測される。 3.Pt/Ti/SiO_2基板上およびITO/SiO_2基板上では、PZTおよびPLZT薄膜は(111)優先配向した多結晶膜となった。XRDによる評価によれば、これら2種の基板上の薄膜では、熱処理によってペロブスカイト相に結晶化しなかった残留パイロクロア相や、PbO_2の析出などが生じている。これに対し、STO基板上に成膜したPZTおよびPLZT薄膜はきわめて配向性の良い(XRD半値全幅200arcsec以下)(001)方向のペロブスカイト相エピ結晶が得られた。 4.圧電応答SPMによって、極薄膜域でも強誘電性が得られることを示し、分極ドメインは直径1μm以下であることを示した。しかし極薄膜においては膜厚の減少とともに消失時間が短くなり、脱分極率が大きくなる傾向がみられた。 5.近接場光学顕微鏡(SNOM)観察技術に関し、偏光依存性について実験・理論的検討を行い、本研究の測定におけるアーティファクト(虚像)に関して明らかにした。 6.PZT強誘電体薄膜の応用探索として、マルチステップ成膜技術によってPZTダイヤフラム型マイクロセンサのリング状37素子アレイ化に成功した。
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