配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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研究概要 |
α_2Ti_3Al相とγTiAl相からなる二相ラメラ組織チタンアルミナイドは,軽量でかつ高い高温強度を有し,次世代の高温材料として注目されている。ただしそのラメラ界面は高温変形中に移動・消滅し,ラメラ組織の劣化がおきる。本材料の高温強度の向上には,ラメラ界面の移動を抑制しラメラ組織を安定化する方法論の確立が必要である。本研究では,ラメラ組織の安定化を基礎的に検討し,以下の結果を得た。 1.熱処理による安定化:ラメラ組織TiAl合金は,高温変形中にラメラ界面が移動し,球状等軸粒組織へと変化する。そしてこの球状化はクリープ変形抵抗を低下させ,微細層間隔の材料ほどラメラ組織が不安定である。このような材料も高温で焼鈍することによりラメラ組織を安定化することができる。そして組織安定化焼鈍した材料では球状化による強度低下を防止できる。 2.合金元素添加による安定化:Wを添加したTi-Al-W合金では,ラメラ組織の球状化を抑制でき,W無添加の材料より高いクリープ変形抵抗を示す。 3.界面制御による安定化:ラメラ組織中にはα_2/γ,True Twin, Pseudo Twin, Domainの4種の界面がある。これらはα_2/γ>True Twin>Pseudo TwinとDomainの順に不安定となる。Pseudo TwinやDomain境界はクリープ中に容易に移動し,ラメラ界面が消滅したりラメラ組織の球状化を引き起こし,材料を弱化させる。低Al(α_2の体積比が高い)の材料は,α_2/γ境界の割合が増す。また高い濃度で焼鈍すると不安定なPseudo TwinやDomain境界の割合が低下し,より安定なα_2/γやtrue twin境界の割合が高い材料を作ることができる。これらの手法もラメラ組織を安定化し,本材料の高温強度を向上する有用な手段である。
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