配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
シリコン素材の大量生産と石炭灰の資源化プロセスに関する基礎研究の一環として,炭素熱還元時におけるSiO_2,SiO_2含有酸化物中の不純物元素の挙動に関する基礎研究を行った.B_2O_3-SiO_2系においては,炭素熱還元反応によりBはSiOとともに蒸発すること,一方,K_2O-SiO_2系については,KがSiO_2系融体から還元により優先的に蒸発分離することを示した.模擬石炭灰のC還元の実験において,SiOの凝縮形態には,粒子状及びエピタキシャル成長した繊維状の2種類が存在し,SiO凝集は,気相中での凝縮と,壁に付着した粒子状の物質を核としてSiO蒸気が結晶化し,気相成長する場合の二通りの機構があることがわかった.P含有模擬石炭灰の炭素熱還元により,Pを含有しないSiを回収することが期待でき,B含有模擬石炭灰の場合,1回の還元では,初濃度の50%の濃度のBを含有するSiOが得られることが判明した.模擬石炭灰の還元により生成したSiOのキャラクテリゼーションの結果,気相から凝縮するSiOには,ナノメートルサイズのファイバーとナノ粒子,ナノ粒子の鎖状連結体の異なる凝縮形態があることがわかった.ナノ粒子の組成は,凝縮物をSiO_xと表示した場合,x=1.2〜1.5であり,ナノファイバーおよびナノ粒子の鎖状連結体の場合は,x=1.7〜1.9であったナノ粒子状のSiOをHF溶液で処理し,SiO_2を溶解除去した後の残渣について粉末X線回折をおこなった結果,SiO_2の還元により生成したSiOをHF処理した後には,金属Siと少量のSiCが残渣として残ることがわかり,本研究でシリカ含有酸化物を還元して得られるSiOは,凝縮時に不均化反応によってSiとSiO_2に分離していること,および,フッ化水素処理により,ほぼ純粋のSiナノ粒子を得られることがわかった.
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