研究課題/領域番号 |
11450290
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東谷 公 京都大学, 工学研究科, 教授 (10039133)
|
研究分担者 |
新戸 浩幸 京都大学, 工学研究科, 助手 (80324656)
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60200200)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
|
キーワード | 原子間力顕微鏡 / 吸着層 / 界面活性剤 / 表面 / 表面改質 / 架橋 / 吸着 / 表面間力 / 気泡 / 疎水性 / 付着力 |
研究概要 |
種々に疎水化改質したシリカ板の水中でのAFM観察、ならびに、同様の系におけるシミュレーションによる検討を行い、以下のことが明らかとなった。 改質剤との反応により疎水化した表面を水中でAFMを用いてin-situ観察した結果、表面において高さ50nm程度のドメインが観察された。同時に得られた位相像においても、対応する場所に、相互作用が周囲と異なることをしめす像が得られた。表面の疎水化度が高いと、ドメインは、その一個当たりの大きさが増加するとともに全体の被覆率も増加した。また表面の凸凹荒さを大きくすると、ドメインの付着個数は増加するものの、一個当たりの大きさは減少し、全体の被覆率も減少した。以上により、ドメインは気泡であると推定された。また界面活性剤の吸着により作成した疎水性表面間の引力においても、長距離でかつ不連続点が存在するという特異な特徴が確認された。この特徴は、改質剤を用いた際の引力と類似するものであり、引力の発生には系内に微量に存在する気相が重要な影響を与えることが示唆された。 一方シミュレーションでは、相互作用強度の異なるL-J型相互作用中心を用いて、水分子、不活性な溶存ガス分子、界面活性剤をモデル化した。このモデルを用いて、相互作用力を計算するプログラムをMD法およびMC法で開発し種々の系について検討した。その結果、AFM測定の場合と類似な「発生点が不連続な引力」が得られ、この原因が、両表面近傍に存在する濃縮ガス層の合一による架橋によることを見出した。しかし引力発生距離は測定値(数百nm)に比べて極めて小さく高々2nmであり、例えば表面荒さの影響を今後考慮する必要がある。また界面活性剤の表面への吸着をシミュレーションし、表面の微細構造を検討した。その結果、AFM測定の条件設定と一致させるには、今回よりも極めて広い表面を設定する必要があることが示唆された。
|