研究課題/領域番号 |
11450303
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水野 哲孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50181904)
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研究分担者 |
小谷野 岳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20292774)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 選択酸化 / 炭化水素 / 液相 / ケイタングステン酸 / 鉄 / メタン / 過酸化水素 / 水 / バナジウム / 反応機構 / ポリオキソメタレート / 合成 |
研究概要 |
1.過酸化水素を酸化剤とする水溶液中での低級アルカンの選択的酸化反応 これまでの研究で、有機溶媒中の反応はすべてテトラブチルアンモニウムを対カチオンとして用いた。水溶液中での反応は、水溶性のカリウム塩を用いた。まず、メタン選択酸化反応生成物量の時間依存性を検討した。生成物として、メタノール、ギ酸、ギ酸メチル、二酸化炭素が観測された。選択酸化反応による主生成物はギ酸メチルであった。このように純粋な水を溶媒としたメタンの選択酸化反応の報告例はこれが初めてである。48時間後のターンオーバー数は23であり、反応が触媒的に進行していることが明らかとなった。 次に、メタン選択酸化反応生成物量の反応温度依存性を検討した。メタノール、ギ酸、ギ酸メチル、二酸化炭素の収量はいずれも353Kで最大となった。反応温度が403Kのとき選択酸化反応生成物及び二酸化炭素の収量が少ないのは、気相に生成した酸素が非常に多いことから、過酸化水素の分解により酸素が生成し、選択酸化反応が進行しなくなったためと推定される。実際、酸素を系に導入しても、選択酸化反応が進行しないことはこの推論を支持している。鉄の1、3置換体では選択酸化反応は進行せず、鉄二置換体のみメタンの選択酸化反応に対して活性を示した。この結果は、活性点に二核の鉄を有するメタンモノオキシゲナーゼの触媒機能を検討する上でも興味深い。 さらに、合成した鉄二置換体を用いて水を溶媒として低級アルカンの選択酸化反応を行った。メタンのみならずエタン、プロパン、n-ブタンいずれのアルカンも選択酸化された。主生成物はそれぞれギ酸メチル、酢酸、アセトン、メチルエチルケトンであった。過酸化水素の有効利用率は5-16%であった。
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