配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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研究概要 |
ゼオライトは一般に水熱合成法により調製されるが,近年乾燥ゲルを水蒸気雰囲気下でゼオライトへと結晶化する手法,ドライゲルコンバージョン法が開発された。本研究では,水熱法でのゼオライトの結晶化過程の解明を行うとともに,新規合成法であるドライゲルコンバージョン法での結晶化過程についても研究を行った。ゼオライトの結晶成長過程では原料各種の原子分子サイズでの挙動はもちろんのこと,ナノスケールレベルの原料種にとくに焦点をあてて研究を進めた。 まず水熱法ではMFI型ゼオライトに注目し,とくに水和ゲル存在下での結晶成長過程では,アルミノケイ酸塩の溶解度が低い条件下では数十nmの大きさのMFI結晶が凝集して1つの粒子を形成していることを明らかにした。またシリカのみで構成されるMFI,シリカライト-1では原料液中の数十nmのアモルファス粒子が固相転移して結晶となる可能性を見出した。 いっぽうドライゲルコンバージョン法では,EMT型ゼオライトの結晶化に注目したところ,数μm原料の乾燥ゲルが結晶化初期段階で一旦数nmの微粒子へと転化してから平板構造のEMTゼオライトへ結晶化が進行することを見出した。 このように合成法によらず,本報告でのゼオライトの結晶化過程ではナノスケールレベルの粒子が重要な役割を果たしている。いっぽうでMFI型ゼオライトからアルカリ処理によってサブナノサイズの構造を取り出し,これを用いてゼオライトの強い酸性質をもつメソポーラス物質の調製にも成功した。 以上,ゼオライトのナノスケールレベルの構造体に注目して結晶化成長過程を明らかにし,またこの構造体を用いて新たな触媒材料の調製への展開までが研究報告である。
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