研究課題/領域番号 |
11450335
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 吟也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029080)
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研究分担者 |
増井 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00304006)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2000年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1999年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 希土類 / 排ガス浄化触媒 / 酸素貯蔵能 / 酸化セリウム / 紫外線遮断剤 / 窒化ホウ素 / 表面被覆 / 化粧品 / 希土類酸化物 / 自動車排ガス浄化触媒 / ジルコニア |
研究概要 |
本研究は、様々な形態を有する希土類系酸化物微粒子の作製条件、ならびに形態変化に伴う物性変化を明らかにすることを目的とし、酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物の表面改質による形態及び酸素吸蔵放出特性の変化、ならびに酸化セリウム微粒子の表面被覆による形態及び物性の変化に関する研究を行った。 酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物の表面を、塩素、塩化アンモニウム、アルカリ金属塩化物でそれぞれ塩素化し、生成した塩化物を揮発させることで改質した。その結果、この改質処理(ケミカルファイリングと名付けた)によって、酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物の酸素吸蔵放出温度が著しく低下した。これは表面改質によって表面の構造、組成、形態が変化していることに起因することを、ラマンスペクトル測定、X線光電子分光法や透過型電子顕微鏡測定によって明らかにした。この低温における酸素吸蔵放出挙動は、自動車排ガス浄化触媒の浄化率向上に有効であることから、新しい触媒材料開発への展開が期待できる。 さらに、新しい紫外線遮断剤の開発を目指し、酸化セリウム微粒子の表面を窒化ホウ素で被覆し、光物性評価を行った。得られた窒化ホウ素被覆酸化セリウムは紫外光領域では優れた光遮断能を示し、また可視光領域領域においては優れた透明性を示した。X線回折、赤外分光測定、透過型電子顕微鏡測定の結果から、酸化セリウム表面を被覆しているのはアモルファス窒化ホウ素であることを確認した。さらに、被覆により粉末の色を淡黄色から白色にを変化させることに成功した。また、ひまし油の熱分解反応を指標として触媒活性の評価を行ったところ、酸化セリウムのもつ高い酸化触媒活性がほとんどなくなることが明らかとなった。 このように、希土類酸化物表面を改質し、形態を変化させることで、触媒活性や光物性の制御を行うことが可能であることを明らかにした。
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