研究課題
基盤研究(B)
従来、主としてオイルやゴム、セラミックス前駆体などの工業材料として用いられてきた含珪素高分子が、近年、液晶材料や光・電子機能性材料としても注目を集めつつある。本研究は、含珪素高分子の立体化学を制御する精密な合成法を開発し、ポリマーの発揮する機能や性能を高度に制御することを目的として行われた。具体的には、研究代表者が開発した珪素-ナフチル基間の臭素による立体選択的切断反応、ヒドロシラン類と水、シラノールなどとの脱水素カップリング反応などを応用して、珪素-酸素結合を有する光学活性ポリシロキサンおよびシンジオタクチックポリ(メチルフェニルシロキサン)の合成に成功した。また、汎用の光学活性カラムを用いることによって光学的に純粋な含珪素モノマーを単離する手法を開発し、その重付加反応および開環重合によって光学活性ポリカルボシランを合成した。また、新しい光学活性求核試薬として研究代表者が開発した光学活性シリルリチウムを用いて、光学活性オリゴシランを合成した。単結晶X線構造解析と円二色性スペクトルとの相関を解明し、X線による構造解析が不可能なポリシラン系化合物の立体化学をも決定できることを明らかにした。
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