研究概要 |
マイクロバブル発生技術による船舶の乱流摩擦抵抗軽減に関する研究において,以下の成果を得た. 1.小型で省エネルギータイプのマイクロバブル発生装置を開発し,その性能を明らかにした.とくに,海水マイクロバブルの物理化学的特性を明らかにし,その気泡径と発生量を計測した.また,海域でのマイクロバブルの流動状況を観察した.さらに,マイクロバブルの生物におけるの生理活性効果について検討した. 2.船舶航行における抵抗増大の因子となる舟艇への付着生物がマイクロバブルで除去される,さらに,マイクロバブルの供給で,付着生物の幼生を未付着させ得ることを見出した. 3.船舶模型を制作し,その流水抵抗計測システムを構築した.マイクロバブルでその抵抗軽減が可能であることを明らかにした.結果的に,わずかなマイクロバブルの壁面への付着と流動で約30-80%の抵抗軽減が可能であることが明らかにとなった.また,低塩分濃度水で塩分濃度を変化させ,塩分濃度が増加すると,マイクロバブルの発生量が増加して,その分の乱流摩摩擦抵抗軽減が促進することを示した. 今後,マイクロバブルの発生量を増やし,それを舟艇付近で注入することで大幅な抵抗軽減の可能性があるという展望を得た.
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