配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
当研究室では全く花芽を形成せず、かつ特殊に分化した葉(以下擬葉)が果肉化(以下果実様体)するユニークかつ有用なトマトの突然変異体を維持している。そこで花芽・果実形成決定遺伝子を単離するとともに,それらの相互関係を明らかにすることによって,将来的には花芽・果実形成を遺伝的に制御し、受粉や摘花等における省力化を図ることを念頭において研究を進めた. 研究の結果,この突然変異体の表現型がTOFLと呼ばれる花芽分裂組織決定遺伝子の保存領域の4アミノ酸欠損に由来していること,またこのTOFLによって,花器官決定遺伝子であるTDR5,TDR6,およびTAG1の発現が制御されていることが明らかとなった.しかし,これらの花器官決定遺伝子は擬葉の果実様体化の過程で発現が誘導されていたため,TOFLを介さない誘導機構が存在することも示された.また,花器官決定遺伝子のクラスA遺伝子であると考えられていたTDR4はこの突然変異体でも発現の低下がみられず,TOFLとは独立して発現していることが明らかとなり,一般的なクラスA遺伝子と言うよりは,シロイヌナズナにおけるFRUITFULに近い遺伝子であることも明らかとなった.さらに,得られた成果を生かすための,花きや果樹における花芽・果実形成に関する生理学的あるいは分子生物学的解析も並行して行った.今後,応用分野における一層の研究の発展が望まれる.
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