研究分担者 |
門屋 一臣 愛媛大学, 農学部, 名誉教授 (90036294)
本杉 日野 京都府立大学, 農学部, 講師 (10182172)
中野 幹夫 京都府立大学, 農学部, 助教授 (10093692)
倉本 誠 愛媛大学, 機器分析センター, 助手 (50291505)
松本 勲 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70036325)
片岡 丈彦 京都府立大学, 農学部, 助手 (90185794)
|
配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
|
研究概要 |
本研究の成果は,下記に示すとおりである。 1)フラッシュクロマトグラフィーによるバヒアグラス根25%メタノール溶出液中から,新たなVA菌根菌生長促進物質を単離・同定した。一一つは2,3-dihydroxy eupalitinであり,他はフラボノイドと異なる活性物質であり,その促進効果は著しく大であった。 2)土壌への根溶出物処理はカラタチ樹の菌根形成を高め,土壌A1による樹の生育抑制を軽減した。 3)筆者らが開発したVA菌根菌の人工培養技術をさらに改善するために,発光ダイオードによる光が菌根菌の生長に及ぼす影響を調査した。その結果,オレンジ色から遠赤色光の波長は菌糸生長を促進するが,青色光の波長は阻害することを明らかにした。この技術や,上記の新規の活性物質などの利用によって,さらに人工培養技術の改善を行った。 4)VA菌根共生のメカニズムを解析するために,非菌根植物であるアブラナやアカザ科植物を用いて調査した。その結果,VA菌根共生はエチレンの生合成と密接な関係があることを明らかにした。 5)アブラナ科植物であるシロイヌナズナ約140種の中から,菌根菌がよく感染する1個体を発見した。この植物を行い,VA菌根共生に関与する遺伝子の探索を試みている。 6)カラタチやパパイア栽植土壌に,バヒアグラス,キビ,ナギナタガヤのような菌根菌がよく感染する植物を間作すると,菌根菌菌糸によるネットワークが容易に形成されることを高解像度のCCDカメラで観察することができた。しかし,非菌根植物を間作すると,菌糸によるネットワーク形成は劣り,裸地状態にするとほとんどネットワークはみられなかった。この主因は,根から溶出される物質の質や量が関係していることを明らかにした。この結果は,菌根菌の増殖を助ける草を用いた草生栽培法の導入が,環境に優しく,低投入で持続可能な果実生産を考えた新しい栽培体系の構築に貢献することを示唆している。
|