配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1999年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
1.キウイフルーツかいよう病菌が生産する毒素がファゼオロトキシンであることを決定するとともに、病原菌自身から毒素耐性の標的酵素遺伝子(argK)を単離することに成功した。本毒素のターゲット酵素オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(OCTase)は葉緑体に存在することから、毒素耐性OCTase(ROCTase)を葉緑体へ移行させるためROCTase遺伝子(argK)の5'上流にタバコのRubiscoの小サブユニット由来のtransit peptide(TP)遺伝子を融合することにより、葉緑体移行ROCTase遺伝子(TP-argK遺伝子)を構築し、アグロ感染法によってキウイフルーツに導入し、毒素耐性の形質転換植物体を作出た。この形質転換植物体は毒素耐性だけでなく、キウイフルーツかいよう病抵抗性を示すことが認められた。 2.芝草ダラースポット病菌Sclerotinia homoeocarpaの培養濾液中には、本病の病徴と同様の症状を引き起こす物質(毒素)が存在することを示した。そこで、本毒素をカラムクロマト、液体クロマトなどにより精製後Mass, NMRなどで構造解析を行ったところ、本毒素がジテルベン化合物であることを明らかにした。 3.イネもみ枯細菌病菌の野性株にトランスポゾンを挿入することにより、毒素産出能欠損および病原性欠失変異株を作出した。変異株ゲノムの解析により,トランスポゾンの周辺には複製関連遺伝子と相同性の高い配列(repA)が存在し,さらにその下流にはDNAの分裂に関与するparA, B遺伝子が存在することが明らかになった。また、病原性欠損自然変異株を解析し,repAはゲノム中に保持されているものの,parA, B遺伝子は失われていることから,イネもみ枯細菌病菌の培養中にゲノムDNAの欠落、転移などが起こり,病原性の欠損と深く関係していることを明らかにした。
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