研究課題/領域番号 |
11460069
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 進一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60191409)
|
研究分担者 |
吉丸 博志 森林総合研究所, 集団遺伝研究室, 研究員(室長)
戸丸 信弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50241774)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | 照葉樹林 / 老齢林 / スダジイ / ヘテロ接合度 / マイクロサテライト / 遺伝マーカー / DNA / 森林動態 / ツバキ |
研究概要 |
原生状態が保たれている長崎県対馬の龍良山照葉樹林で、照葉樹天然林の森林樹木群集の構造および動態の解明を目的に、生態学および集団遺伝学の手法を用いて群集、個体群、遺伝子レベルで行った。個体群構造は林分を優占するスダジイとイスノキで異なり、また主要樹種の空間分布は林冠ギャップや地形などの環境要因より種間競争などの生物的要因により規定されることが示唆された。台風攪乱を受けるこの林分で林冠および樹木群集の動態は動的平衡状態にあると思われ、樹木の枯死加入は林冠ギャップ特性に依存しておこっており、樹木群集の種組成や動態は自然撹乱に起因する林冠動態の影響を受けることが示唆された。主要樹種であるヤブツバキおよびスダジイについて遺伝構造、遺伝子流動、父系解析が可能なマイクロサテライトマーカーが開発された。ヤブツバキでは4マイクロサテライトマーカーが開発された。ヤブツバキは林分内で集中分布しており、また弱い遺伝構造があった。集団内で任意交配していると考えられたが、距離が近いほど遺伝的に類似した個体が多く、限られた種子散布や生育環境の不均一性がこのようなヤブツバキの空間分布および遺伝構造に影響を与えると思われた。スダジイでは既存および新たに形成された8マイクロサテライトマーカーが高い多型性を示し、今後の遺伝子流動や繁殖メカニズムの解明に貢献すると思われた。またスダジイは稚樹は多く存在するものの、物理的ダメージを受けた林冠木の萌芽形成による更新がスダジイ個体群の維持に重要であると思われた。このように生態学的手法から、森林群集の構造および動態の把握ができ、また遺伝学的手法から、各樹種の遺伝構造および繁殖に関する新たな知見を蓄積することができた。
|