研究課題/領域番号 |
11460092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
石田 祐三郎 福山大学, 生命工学部, 教授 (20026488)
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研究分担者 |
山口 峰生 瀬戸内海区水産研究所, 赤潮環境部, 赤潮生物研究室長
三輪 泰彦 福山大学, 生命科学部, 助教授 (00219833)
満谷 淳 福山大学, 生命科学部, 助教授 (80309632)
北口 博隆 福山大学, 生命工学部, 教授 (10320037)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | 赤潮 / ヘテロカプサ / 殺藻細菌 / 包括固定化 / バイオレメディエーション / Heterocapsa / 殺藻物質 |
研究概要 |
本研究は、二枚貝を特異的に斃死させ、水産業に大きな被害を与えているヘテロカプサによる赤潮を、赤潮海域に分布する「赤潮原因藻を殺藻・溶藻する海洋細菌(殺藻細菌)」によって防除するバイオレメディエーション技術の開発の基礎を確立することを目的とした。 まず、広島県江田島湾において、表層水・低層水・低泥を対象にヘテロカプサ殺藻細菌の細菌数の調査と殺藻細菌の分離を行った。その結果、調査期間を通じてヘテロカプサ殺藻細菌数は非常に低い値で推移したが、ハテロカプサ殺藻細菌を1株分離することに成功した。本株(EHK-1株)は、プロテオバクテリアγサブグループに属する海洋細菌であり、これまで分離された殺藻細菌とは異なる新奇な細菌であることが示された。EHK-1株は、ヘテロカプサ栄養細胞・テンポラリーシストのどちらも完全に溶藻する強力な殺藻活性を示し、その殺藻機構は、熱に安定な分子量3,000未満の殺藻物質によってヘテロカプサを溶藻するものであることを明らかにした。 さらに、殺藻細菌を用いた赤潮防除の実用化に向けた技術開発を行った。これまでの研究により、殺藻細菌は高密度で存在するときにのみ殺藻が観察されることが示されている。したがって、殺藻細菌を現場に散布しても、速やかに拡散してしまい殺藻能力が発揮できないと予想される。そこで、殺藻細菌を高分子ゲルに包括固定化することで、作用させたい海域に高密度で保持できるのではないかと考え、包括固定化法の適用について検討した。その結果、寒天ゲルに殺藻細菌を包括固定した場合、殺藻能力を失わず、またゲル中で長期間生存することが示された。このことから、包括固定化法が殺藻細菌を現場に適用する際の有効なツールになりうることが明らかとなった。
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