研究課題/領域番号 |
11460109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
登尾 浩助 岩手大学, 農学部, 助教授 (60311544)
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研究分担者 |
馬場 秀和 岩手大学, 農学部, 教授 (80003789)
古賀 潔 岩手大学, 農学部, 教授 (70091642)
颯田 尚哉 岩手大学, 農学部, 助教授 (20196207)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ふん尿灌漑 / 水質 / 地下水 / 地表水 / 土壌水 / 硝酸態窒素 / リードキャナリーグラス / TDR / ふん尿還元 / リードカナリーグラス / TDR法 / 負荷量 / モデル / 計測 |
研究概要 |
農業環境三法の施行により特に家畜排泄物による水質汚染防止と年間9,500万トンも排せつされる家畜ふん尿の適切な処理法の確立が急務となっている。これまで牧草畑に表面散布された搾乳牛のふん尿に由来する硝酸態窒素(NO_3)による地表水と地下水の汚染状況および土壌中におけるNO_3動態について調査してきた。過去3年間の調査地おける水収支では、どの年も降水量の50〜60%が地下浸透していた。したがって、地表散布した家畜ふん尿・肥料分(特にNO_3)などが容易に地下水面まで輸送されることが懸念される。しかし、地表面に散布したふん尿に起源するNO_3のほとんどは、根群域内で消費されていることがTDR法による経時的な測定から明らかになった。また、土壌コア試料から抽出した間隙水の化学分析からもほとんどのNO_3は根群域内(地表から約80cm深さまで)において消費(脱窒、植物による吸収、クロボク土壌への吸着等)されていることが裏付けられた。尿散布後には牧草中のNO_3含量が上昇し、成長に伴って減少することが観察されたので、根群域内のNO_3は牧草に吸収されることによって消費されていることが示唆された。過去3年間における地下水位の変動から、調査地において地下水涵養が行なわれていると判断された。地下水中における現在のNO_3濃度は環境基準値以下であるが、Clに比較すると半分以下の速度と緩やかではあるが上昇傾向にあることがわかった。これは、土壌中のNO_3は牧草による吸収と脱窒によって消費されるので、地下水面まで到達する量がClよりも少ないためだと考えられる。現在のふん尿還元管理および牧草畑管理と地下水水質の傾向が継続すると仮定すると、約40年後には調査地の地下水のNO_3濃度が環境基準値に到達する懸念がある。したがって、調査地におけるふん尿還元による長期的な地下水水質への影響をさらに調査する必要がある。
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