研究分担者 |
吉田 敏 九州大学, 生物環境調節センター, 助教授 (90191585)
宮内 樹代史 高知大学, 農学部, 講師 (80253342)
河野 俊夫 高知大学, 農学部, 助教授 (60224812)
荒木 卓哉 九州大学, 生物環境調節センター, 日本学術振興会特別研究員
江口 壽彦 九州大学, 生物環境調節センター, 助手 (40213540)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
本研究は,インタクトの果実の肥大生長,蒸散,呼吸のオンライン計測システム,果柄を通って果実へ集積する物質(師管液,道管液,糖,各元素)のフラックスの評価法を確立し,果実への物質集積に対する環境作用の機作を解明することを目的としている.まず,新規の植物生体計測法として,1.果実と葉におけるガス(H_2O, CO_2)フラックスのオンライン計測法,2.果実肥大速度と小果柄を通る汁液フラックスのオンライン計測法,.3.小果柄を通る糖の転流フラックスの時間変動の相対評価法,4.小果柄を通る師管液フラックスと道管液フラックスの分別評価法,5.師管および道管経由の果実への物質集積の分別評価法(簡便法),6.小果柄を通る汁液の逆流の実証法,7.根のカルシウム吸収特性の評価法,8.植物体各器官の水力学的通導特性の分別評価法を開発した.これらの計測法を用いて,果実への物質集積に関する以下の結果を得た.1.果実の水収支が定量的に明らかになった.2.小果柄を通る汁液の84%が果実肥大に寄与し,14%が小果柄とがくから,2%が外果皮からの蒸散で失われた.3.果実内に集積した汁液に占める道管液と師管液の割合は3対7であった.4.水ストレスおよび塩ストレスによって,道管液フラックスが著しく減少し,道管液と師管液の割合は1対9となった.5.昼夜変温処理の効果を果実呼吸および果実への師部輸送に関連させて定量的に明らかにした.6.道管経由の汁液の逆流を初めて定量的および視覚的に実証した.7.師管経由の物質集積の重要性を定量的に示した.8.わずか2週間の塩ストレス処理によって,浸透圧調節機能を発現させ,糖,酸,各種元素の濃度が高い高濃度トマトの生産の可能性を示唆した.9.海洋深層水施用による高品質トマト生産の可能性を定量的に示唆した.
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