研究課題/領域番号 |
11460126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00197146)
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研究分担者 |
伯野 史彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30282700)
片岡 宏誌 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60202008)
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | インスリン様成長因子 / トロピックホルモン / cAMP / シグナルクロストーク / 細胞内シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / 細胞増殖 / チロシンキナーゼ / クロストーク |
研究概要 |
インスリン様成長因子(IGF)は、多くの細胞の増殖・分化誘導をはじめとして、広範な生理活性を示すことが広く知られている。IGFは、単独で作用が弱い場合が多く、他のホルモン・成長因子と協同して活性が増強される点が特徴である。我々は、甲状腺由来FRTL-5細胞をトロピックホルモンであるTSHやcAMPアナログで長時間前処理することにより、IGF-I依存性DNA合成が増強されることを発見した。この分子機構を解析した結果、cAMP長時間処理に応答してsrcファミリーキナーゼが活性化、p125をチロシンリン酸化、チロシンリン酸化p125に結合したPI3-kinaseが活性化され、Shc mRNAが増加、その結果p66Shc量が増加する。更に、p66ShcのIGF-I依存性チロシンリン酸化が増強され、この増強はMAP kinase経路に伝えられ、この経路の活性化がcAMPとIGF-Iによる相乗的な細胞増殖誘導に必須な役割を果たすことを明らかにした。そこで、我々は、チロシンリン酸化p125の単離・精製を進め、部分アミノ酸配列を解析したところ、新規タンパク質であることがわかった。一方、FRTL-5細胞のTSH前処理により新しく合成されたタンパク質がIRS-2と相互作用し、IGF-IレセプターキナーゼがIRS-2をよりチロシンリン酸化することを見出した。このように、IRS-2のIGF-I依存性チロシンリン酸化が増強され、IRS-2下流のPI3-kinase経路のシグナルを一過的に強める結果、細胞増殖が著増することも明らかとなった。p125、IRSAPを介した2つの異なる経路により起こったIGFシグナルの増強は、G1サイクリン量を増加、CDK inhibitor量を減少させ、その結果CDK2/4の著しい活性化を生じ、細胞増殖の相乗的誘導が引き起こされることがわかった。
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