研究課題/領域番号 |
11470008
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
|
研究分担者 |
林 京子 北里大学, 医学部, 助手 (30240211)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
|
キーワード | 膵臓 / 再生 / 部分切除 / 内分泌細胞 / 外分泌細胞 / 腺房中心細胞 / 幹細胞 / 膵島 / インスリン細胞 / グルカゴン細胞 / 発生 / 免疫組織化学 / PGP9.5 / ランゲルハンス島 / グルカゴン / インシュリン / 糖尿病 / α-細胞 / β-細胞 |
研究概要 |
胎生後期〜生後発達過程と90%部分切除後の再生過程にある膵臓について、内分泌、外分泌細胞の増殖と分化の動態を免疫組織化学法により調査し、次の成果を収めた。 (1)発生と再生における内分泌細胞及び外分泌細胞の分化動態:ホルモンの免疫組織化学とIn situ hybridization法による再生膵の研究で、切除2-3日目から導管上皮細胞の分裂により外分泌細胞が増殖し、この再生は2週間までに完了すること、また内分泌細胞は介在部導管と腺房中心細胞から新生することが判明した。この際、母細胞からまずグルカゴン細胞が分化し、ついでその一部が非分裂的にインシュリン細胞へと形質転換するらしい。介在部導管あるいは腺房中心細胞は内分泌幹細胞として機能することが示唆された。 神経系の標識タンパクであるPGP9.5がラット膵の胎生期および生後発生、再生膵において内分泌先駆細胞を標識し、これが全内分泌細胞の発生標識として極めて有用なものと結論した。 連続切片から立体再構築を行い、各内分泌細胞が毛細血管との密接な連関のもとに島組織へと発達することを明らかにした。 (2)分化の調節機構:膵発生・再生の調節物質を探索する目的で、ラットPDX1のcDNAより特異抗体の作成に成功した。現在、それを用いて発生および再生過程の分布動態を調査中である。 (3)膵再生におけるCCKの作用:切除後の再生過程でCCK-1の受容体拮抗物質を前投与して外分泌細胞の増殖を調査した。その結果、受容体拮抗物質の作用により外分泌細胞の増殖が大幅に抑制されたため、十二指腸より拡散するCCKが外分泌細胞の分化・増殖に誘導的に作用するものと推定した。 (4)内分泌細胞崩壊の分子機構:膵切除後再構成された膵島は1ヶ月目頃から崩壊が開始し、1年目にはほぼ全てが消失していた。電顕観察で、β細胞の合成系に異常が起きて大食細胞に貪食され、膠原線維によって置換されるという経過で、この間、アポトーシスは観察されなかった。膵切除に伴う遷延する高血糖に対する反応としてβ細胞には高度の分泌負荷がかかり、蛋白合成を繰り返しているうちに異常タンパクが生じ、それに対する細胞性免疫によって細胞死がおきるものと推定した。
|