研究課題/領域番号 |
11470019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
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研究分担者 |
國武 孝人 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20234461)
花森 隆充 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20041858)
西森 利數 (西森 利数) 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20112211)
加藤 和男 Miyazaki Med. College, Dept. Physiol., Assistant (80284834)
石塚 雄太 Miyazaki Med. College, Dept. Psychiatry, Lecturer (20264377)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 視床下部室傍核 / 心血管系 / in vivoマイクロダイアリシス法 / グルタミン酸 / 免疫組織化学法 / バソプレッシントランスジェニックラット / 自由行動・意識下ラット / 高張食塩水 / 脳スライス / ユニット記録 / パッチクランプ記録 / 神経ペプチド / 神経伝達・修飾物質 / 心血管系反応 / 脳室周囲器官 / 浸透圧受容 / in vivoマイクロダイヤリシス法 / バゾプレッシントランスジェニックラット / 体液調節 / in vivo マイクロダイヤリシス法 |
研究概要 |
中枢食塩負荷に対する生体応答メカニズムに関して電気生理的、神経化学的並びに免疫組織化学的アプローチで解析した。主な研究成果は次ぎの通りである。 1自由行動・意識下ラットから血圧、心拍数と腎交感神経活動(RSNA)を記録しながら、高張食塩水を予め留置した側脳室カニューレを介して投与した。負荷浸透圧依存的に血圧増加とRSNA抑制反応が認められた。これらの反応には内因性バゾプレッシンがV_1レセプターを介して関与している事が明らかと成った。 2そこで名古屋大学内科学の大磯ユタカ先生から供与されたバゾプレッシン過剰産生ラット(Tg)を用いて調べた。(1)コントロールとして同週令のSprague-Dawley(SD)ラットを用いた。TgとSD間で安静時の血圧・心拍数に有意な差は認められなかった。しかし急性食塩負荷による血圧上昇はSDに比較してTgではより大きかった。(2)最初期遺伝子のc-fosによりコードされた転写因子c-Fosを免疫組織化学的に染色し、脳内の体液調節に深く関わっている部位におけるc-Fos陽性細胞数を半定量的に計測した。脳室周囲器官の終板器官(OVLT)、室傍核(PVN)、視索上核(SON)、正中中心核(MnPO)、最後野(AP)ではO.3M食塩水投与でc-Fos陽性細胞数が有意に増加した。脳弓下器官(SFO)では有意な変化は認められなかった。興味深いことにSDラットに比較して0.15M食塩水投与後のc-Fos陽性細胞数がPVN、SON、APとSFOでは有意に少なかった。(3)バソプレッシンV_1アンタゴニスト(OPC-21268、大塚製薬)の単独投与により安静時血圧と心拍数には有意な変化はなかった。しかし、PVNとSONの安静時c-Fos陽性細胞数が増加し、SDラットの値に近づく傾向が認められた。 3PVNへの高張食塩水局所投与による心血管反応のメカニズムについて検討した。(1)意識下ラットのPVNをin vivoマイクロダイヤリシスプローブを介して高張食塩水(O.3M、0.45M、0.67M)で灌流すると、負荷食塩水濃度に依存して、血圧上昇と心拍数増加反応がみられた。(2)灌流液中のノルアドレナリン、一酸化窒素代謝産物(Nox^-)並びにグルタミン酸濃度は有意に増加した。(3)NMDAレセプターアンタゴニスト(MK801)と同時に灌流すると、血圧と心拍数増加反応がvehicle投与に比較して有意に抑制された、一方、AMPAレセプターアンタゴニスト(CNQX)によっては影響されなかった。これらの結果より、中枢内高張食塩水急性負荷による心血管系反応の少なくとも一部に内因性グルタミン酸がNMDAレセプターを介して、関与していることが示唆された。
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