研究課題/領域番号 |
11470026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小川 靖男 順天堂大学, 医学部, 教授 (50103841)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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キーワード | 筋小胞体 / リアノジン受容体 / Ca^<2+>誘発性Ca^<2+>遊離 / 内腔Ca^<2+> / ストアー作動性Ca^<2+>流入 / CRACチャンネル / Ca^<2+>枯渇 / Ca^<2+>放出チャネル / Ca^<2+> / Mg^<2+> |
研究概要 |
筋小胞体からのCa^<2+>遊離はCa^<2+>による細胞内情報伝達の枢要な過程である。我々は既にカエル骨格筋筋小胞体内腔のCa^<2+>結合部位量を評価し、そのCa^<2+>遊離の時間経過に及ぼす影響について報告した。この結論を補強するにはCa^<2+>放出チャンネルの性質が均一であることの確認が重要である。ウシガエル骨格筋にはα-RyRとβ-RyRと呼ばれる二種類のリアノジン受容体(RyR)アイソフォームがほぼ等量ずつ混在することが知られている。我々は既にこれらのアイソフォームはそれぞれ哺乳類のRyR1、RyR3と相同であり、精製アイソフォームのCa^<2+>誘発性Ca^<2+>遊離(CICR)活性は区別できないほど酷似していることを報告した。しかし筋小胞体膜上のnativeな状態のRyRの性質については検討が必要である。免疫沈降法と[^3H]ryanodine結合の特性を応用して検討した結果、α-RyRの最大活性はβ-RyRの数%に抑制されており、生筋でのCICR活性は主にβ-RyRにより担われていることが示唆された。また小胞体内腔は機能的に均質であり、単一コンパートメント見なせた。しかしmitsugumin29欠損骨格筋では複数のコンパートメントからなると考えられる。平滑筋や非筋細胞でのIP3によるCa^<2+>遊離の複雑な時間経過についていろいろと議論されているが、いずれもが我々が展開した視点に欠けている。即ち、Ca^<2+>遊離の基本的な駆動力は遊離Ca^<2+>濃度差であり、しかしながら内腔Ca^<2+>結合部位が存在するため、小胞体の充填程度が高い状態の方が低い状態より遊離Ca^<2+>濃度差が大きく寄与すると言う点である。これを更に確立するには内腔Ca^<2+>濃度を直接測定することが必要であるが、信頼性の高い、適したCa^<2+>指示薬を見出せずにいる。今後も継続して努力する。 また小腔体内腔Ca^<2+>が枯渇すると形質膜を介するCa^<2+>流入(ストアー作動性Ca^<2+>流入)が増すことが平滑筋や非筋細胞で報告されており,IP3受容体が深く関わっていると考えられている。IP3受容体のCa^<2+>homeostasisへの関与が殆どない骨格筋でもストアー作動性Ca^<2+>流入が起こるか否かを検討したところ、攣縮刺激、high K^+刺激、caffeine刺激にも反応しない状態にまで枯渇出来た。この状態ではCa^<2+>流入による小胞体の再補充、Mn^<2+>流入の増加が見られ、その性質はCRACチャンネルと多くの点で酷似していた。
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