研究課題/領域番号 |
11470042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊池 章 広島大学, 医学部, 教授 (10204827)
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研究分担者 |
岸田 想子 広島大学, 医学部, 教務員 (40274089)
安東 知子 広島大学, 医学部, 助手 (20294548)
岸田 昭世 広島大学, 医学部, 助手 (50274064)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | Ras / Rap1 / Ral / RalBP1 / POB1 / Epsin / Eps15 / エンドサイトーシス / 低分子量G蛋白質 / ASAP / Arf / 細胞運動 / RalGDS / EHドメイン |
研究概要 |
本研究課題により、低分子量G蛋白質RalはインスリンとEGFの受容体のエンドサイトーシスを制御するが、その際に、GTP型とGDP型を変換することおよび翻訳後修飾を受けて膜に局在することが必須であることが明らかになった。私共はすでにRalの標的蛋白質RalBP1の新規結合蛋白質POB1を同定していた。POB1の機能を明らかにするために、POB1のEHドメインに結合する蛋白質を牛大脳から精製したところ、Eps15とEpsinであった。両蛋白質ともクラスリンやAP-2と複合体を形成して、受容体のエンドサイトーシスを制御する重要な蛋白質であることが報告されていた。POB1のEHドメインはEpsinのC端側およびEps15の中央部と結合し、さらに、Eps15とEpsinが結合することから、これらの分子が三量体を形成することが明らかになった。RalBP1とPOB1もインスリンとEGFの受容体のエンドサイトーシスの制御に関与した。したがって、RalGDSの下流で機能するRasの新しいシグナル伝達経路Ral/RalBP1/POB1/Epsin/Eps15はリガンド依存性の受容体のエンドサイトーシスを制御することが判明した。 一方、細胞分裂期(M期)にはエンドサイトーシスが起こらないことが知られているが、その分子機構は不明であった。M期においてRalBP1、POB1、Epsin、Eps15はリン酸され、少なくともPOB1とEpsinはcdc2キナーゼによりリン酸化された。さらに、Epsinがリン酸化されるとPOB1及びAP-2との結合が低下して、インスリン依存性のエンドサイトーシスは抑制された。したがって、Ralの下流で機能する一群の蛋白質がリン酸化されることにより、エンドサイトーシスが阻害される可能性があることが示唆された。
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