研究課題/領域番号 |
11470049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中島 孝 群馬大学, 医学部, 教授 (20124422)
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研究分担者 |
佐野 孝昭 群馬大学, 医学部, 講師 (90292581)
柏原 賢治 山梨医科大学, 附属病院, 助教授 (80242634)
小山 徹也 群馬大学, 医学部, 助教授 (50233622)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ヒト癌 / 細胞周期制御蛋白 / RB経路 / p53経路 / 免疫組織化学 / Rb経路 / 細胞回転 / p16蛋白 / CDK / pRb蛋白 / p53蛋白 |
研究概要 |
肺癌では、扁平上皮癌と腺癌におけるRb経路とp53経路の異常を免疫組織学的に検討した結果、扁平上皮癌ではp16の発現低下が著明にみられた。また、p53経路ではp53が約60%に強陽性であり、点突然変異を起こしていると考えられた。P53陽性所見は病期の進行と共に増加していた。また、病期I期の腺癌を用いた同様の検討では、p14ARFの低下が著明で、MDM2発現亢進がみられ、特に、高分化腺癌に顕著であった。このようなp53経路の状態は胎生期の細胞増殖機構に類似しており、早期の高分化腺癌がこのような増殖機構を利用していることは興味深い。また、腺癌でもp53は細胞分化の低下にともなって、異常が多くなることも明らかとなった。P53については、病期I期の非小細胞肺癌において、患者予後に関連するのはp53免疫染色結果より、その遺伝子における点突然変異であることが既に明らかとなっている。口腔における扁平上皮癌の発癌過程をみると、前癌病変から癌病変にかけて、p53,p16やpRb発現増加、p27発現低下が見られるが、疣贅癌は通常の扁平上皮癌とは異っていることが明らかにされた。さらに、扁平上皮癌について、Rb経路とp53経路の異常という観点から検討すると、p14ARFの低下、MDM2発現亢進を伴うものが認められ、肺の高分化腺癌と同様の所見を示すものが認められ興味深い。このようにRb経路とp53経路の異常は病期によってかなり異なることが明らかとなったが、ヒト癌においてはp53の点突然変異が最も頻度の高いp53経路の異常を引き起こす異常であることが再確認できた。その他、食道癌ではp16の発現低下が著明であること、乳癌ではp21がBRCA1メチル化と関連することなどを明らかにしてきた。
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