研究課題/領域番号 |
11470063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
立松 正衛 (立松 正衞) 愛知県がんセンター, 研究所, 副所長 (70117836)
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研究分担者 |
杉山 敦 信州大学, 医学部・第一外科, 助教授 (90187675)
池原 譲 愛知県がんセンター, 腫瘍病理学部, 研究員 (10311440)
塚本 徹哉 愛知県がんセンター, 腫瘍病理学部, 主任研究員 (00236861)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | スナネズミ腺胃発癌モデル / 可逆性病変 / Helicobacter pylori感染 / 除菌 / Helicobacter Pylori感染 / スナネズミホモログ遺伝子 / 細胞分化マーカー / スナネズミ / Helicobacter pylori / 腸上皮化生 / 胃癌 |
研究概要 |
スナネズミ腺胃発癌モデルに於いて化学発癌物質投与のみでは低い発癌率であるが、それにHp感染を伴うと発癌率は著明に上昇する。一方、発癌物質を投与せずHp感染のみ存在することでスナネズミ胃粘膜には腫瘍様の病変が生じてくる。しかしこの腫瘍様の病変は過度の炎症が原因で生じた、除菌操作によって消失する可逆性の再生性変化であり癌腫ではないと考えられる。除菌操作により消退する可逆性病変と除菌後も自律性増殖をする癌とを鑑別することが重要であり、組織的に明らかな癌腫に対する除菌の影響と、腸型形質への分化を遂げた病変における除菌後の動態に関する情報を得ることがその鍵となる。この目的にてスナネズミ腺胃発癌モデルにおけるMNU投与+Hp感染+除菌群を作成し組織学的検索を行った。Hp感染スナネズミ胃粘膜では胃底腺領域での壁細胞の萎縮や偽幽門腺化生、腺境界領域における過形成、さらに幽門線領域を含む広い範囲でのびらん・潰瘍・炎症性細胞浸潤、腸上皮化生が発生し、さらに粘膜下への増殖性腺管を生じた。これに除菌を施した群では、粘膜筋板の断裂・粘膜下の粘液貯留など粘膜下増殖性病変の消退後の痕跡を認めた。血清抗体価,ガストリン値は感染群で高値で除菌後長期経過群では回復傾向を示した。MNU投与群では、細胞異形を伴いつつ極性の乱れた小腺腔を形成する高分化型腺癌や低分化型腺癌・印環細胞癌の各種組織型の癌が観察され、Hp感染に伴う粘膜下増殖性腺管と組織学的に鑑別された。除菌群において、除菌直前に標本作製した群の発癌率と、除菌後長期経過後の群における発癌率に有意な差を認めず、従って既に自律性増殖能を獲得した癌は除菌により抑制されないことが示された。この発癌モデルにおける可逆性増殖性病変と自律的増殖性癌種との差異に関する遺伝子変異や発現変化についての検討がヒト多段階発癌機構の解明にも大きく寄与すると考えられる。
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