研究課題/領域番号 |
11470083
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高津 聖志 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107055)
|
研究分担者 |
堀川 啓介 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60313095)
刈米 アイ 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50114450)
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10242116)
木梨 達雄 京都大学, 医学研究所, 教授 (30202039)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
キーワード | IL-5 / CD38 / germline transcripts / Stat5 / NF-κB / スイッチ組み換え / マウスsIgD+B細胞 / NF-кB / CD40 / Blimp-1 / stat5 / IL-4 / DNA組み換え |
研究概要 |
Cμから下流のCH遺伝子への組み替えにより、IgMからIgG,IgA,IgEへのアイソタイプ変換が起こる。末梢のナイーブ(sIgD+)CD40とサイトカインあるいはLPSとサイトカインで刺激するとCHスイッチ組み換えが起こる。スイッチ組み替えは各S領域の5′上流のIエクソンからの転写(胚細胞型転写)により始まり、胚細胞型CH mRNAの転写、リコンビナーゼ等の働きによりS領域間でスイッチ組み換えで終了する。IL-5はB-1細胞による自然抗体産生を促進するのみならず、活性化されたB-2細胞の抗体産生細胞への分化を促進する。本研究は、IL-5によるB細胞分化の制御ならびにアイソタイプ変換の制御の分子機構を明らかにすることを目的としている。我々はsIgD^+B細胞をCS/2(抗CD38抗体)とIL-5で共刺激するとμ鎖からγ1鎖への著明なスイッチ組み換えとIgG1抗体産生を惹起しうることを昨年報告した。 本年はIL-5依存性のアイソタイプ変換におけるNF-κBやStat5の役割について詳細に解析した。B細胞をCS/2(抗CD38抗体)刺激するとNF-κBが活性化されること、主にc-Relが活性化されることがわかった。CD40刺激ではp50,Rel-B,c-Relが活性化されるのと対照的であった。また、NF-κBの活性化に重要であるNF-κB inducing kinase(NIK)に異常を示すaly B細胞はCS/2による増殖応答とIgG1産生が対照群と比較して減弱していた。Stat5a、Stat5b欠損マウスのB細胞をCS/2とIL-5共刺激したところIgMとIgG1産生はいずれも顕著に減弱していた。またSγ1-Sμ環状DNAの出現頻度も激減していた。しかし、CS/2刺激による胚細胞型γ1mRNA転写は影響を受けなかった。また、IL-4とCS/2刺激によるB細胞の増殖応答、IL-4と抗CD40抗体刺激によるIgG1産生は対照B細胞と大きな差が見られなかった。Stat5a欠損B細胞、Stat5b欠損B細胞のいづれもCS/2とIL-5により惹起される分裂回数は対照群と差がなかった。以上の結果より、NF-κBとStat5はそれぞれ胚細胞型g1mRNAとg1へのアイソタイプ変換に重要な役割を示すことが初めて明らかになった。IL-5刺激に依存性のアイソタイプ変換やB細胞分化特異的に重要な転写因子であることが初めて証明された。
|