研究課題/領域番号 |
11470093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
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研究分担者 |
亀尾 聡美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40312558)
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / S-ニトロソ化 / 金属結合蛋白質 / 金属代謝 / グルタミン酸 / メタロチオネイン / メチル水銀 / エンドトキシン / S-ニシロソ化 / メタラチオネイン / s-ニトロソ化 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)およびそのS-ニトロソ体代謝物が脳内微量金属元素代謝と脳の機能に及ぼす影響を明らかにするために、NO過剰産生条件を作出し、脳内細胞外液Nox量と遊離微量元素の動態を解析した。具体的には、マウス(C57BL/6Cr)海馬CA3領域にマイクロダイアリシスを施し、その後にエンドトキシン100-1000μg/kgを腹腔投与し、マイクロダイアリシス灌流液に回収された細胞外液中のNoxをHPLCを利用したGriese法により、また微量金属元素である亜鉛と銅の濃度をプラズマイオン源質量分析装置(ICP-MS)により定量した。その結果、エンドトキシン1000μg/kgではNoxに加え、亜鉛と銅の濃度上昇が観察された。興味ある点はNoxは一過性の上昇であるにもかかわらず、微量金属濃度の増加は持続性であり、3時間ほど継続する現象であった。 次に、メチル水銀曝露モデルにて、1)メチル水銀曝露に伴うマウスの情動、空間学習に関する神経行動学的な評価を実施しつつ、さらに2)その際の脳内海馬CA3領域のグルタミン酸代謝の変動を同じくマイクロダイアリシスにより解析した。その結果、情動ストレスの亢進に相関して、グルタミン酸濃度の絶対値に差は見られないものの、カリウム100mMによって動員されるグルタミン酸量が低下した。グルタミン酸代謝ではNOが受容体活性制御に関しており、グルタミン酸動員にかかわるNOと金属元素の関与が示唆される。しかしながら、このメチル水銀曝露モデルにおいてNOと金属元素のクロストークを上記と同様な方法で検討したが、有意な結果は得られなかった。この点は分析方法や検出感度に工夫を加え追試による確認が必要と考えられた。 微量金属元素は、細胞内外で原則的に遊離型ではなくSHに適合した結合型として存在している。NOはそのSHを攻撃し金属元素を遊離せしめる。このメカニズムとその生物学的意義はまだ未解明であるが、本研究によってNOにより一部の元素で自由度が増加しマイクロダイアリシスで検出可能な形に移行することが示され、今後の研究が期待された。
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