研究課題/領域番号 |
11470097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
奥田 昌之 山口大学, 医学部, 助教授 (50274171)
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研究分担者 |
國次 一郎 山口大学, 医学部, 助手 (80314798)
篠田 晃 山口大学, 医学部, 教授 (40192108)
芳原 達也 山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 神経細胞 / パッチクランプ / Fluo-3 / カルシウムイオン / 有機溶剤 / 有機塩素系化合物 / トリクロロエチレン / ブロモプロパン / ブルモプロパン / カルシウムチャンネル / 細胞内カルシウムイオン / 脊髄後根神経節 / 海馬 / プロモプロパン / イオンチャンネル / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
神経細胞においてカルシウムイオンは、活動電位の発生や神経伝達物資の放出、シナプス形成、機能の統合、壊死などの機能における細胞内シグナリングに重要な役目を果たす。細胞内カルシウムイオンは、細胞膜カルシウムチャンネルを通過する細胞外カルシウムイオンと、細胞内ストアから放出されるカルシウムイオンによって調整されている。製造業やサービス業で使用される有機溶剤のなかには、ヒトや動物実験において中枢神経抑制を示す臨床症状を呈する。 新生仔ラット脊髄後根神経節細胞を取りだし、ホールセル状態として電圧固定として、電位依存性のカルシウム電流を測定した。トリクロロエタンおよびトリクロロエチレンで、カルシウム電流が可逆的に抑制されていた。電流固定では、活動電位の閾値の変化と考えられる周期性の変化が観察できた。カルシウム電流ばかりでない電位依存性陽イオンチャンネルへの影響が関与していることがわかった。細胞内カルシウムのうち、細胞内カルシウム貯蔵部位からのものをカルシウムイオン蛍光指示薬Fluo-3を用いて観測した。今回、ERのライアノジンレセプターを修飾するカフェインや、脊髄後根神経節に存在すると考えられるヌクレオチドレセプターのリガンドであるATPを用いて実験を行った。カフェインを投与すると、細胞内カルシウムが上昇するが、これがトリクロロエチレンで抑制された。同様にATP刺激においても、1-ブロモプロパン、2-ブロモプロパンは細胞内カルシウム上昇を抑制していた。いずれも濃度の依存的であるが、細胞外カルシウムイオン流入によるカルシウム電流の抑制ほどではなかった。これらの有機溶剤は、細胞膜蛋白質ばかりでなく、細胞内にも浸透し急性毒性として作用することが示唆された。有機溶剤の神経抑制作用は、さまざまな経路を通して細胞内器官にはたらき、活動電位の変化や神経伝達物資の放出を修飾していると考えられる。
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