研究課題/領域番号 |
11470129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 哲夫 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80022838)
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研究分担者 |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (90303651)
北川 元二 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (80262898)
成瀬 達 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180550)
古家 園子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20096952)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 膵導管細胞 / 重炭酸イオン輸送 / 水チャネル / EC細胞 / エタノール / 過分泌 / アルコール性慢性膵炎 / 単離小葉間膵管 / 細胞内C1^-濃度 / HCO_3^-分泌 / 5-hydroxytriptamine / Na^+-HCO_3^- cotransport / マイクロパーフュジョン / 細胞内pH測定 / HCO_3^-透過性 / Na^+-HCO_3^-共輸送体 / Cl^- / HCO_3^-交換輸送体 / マイクロパーフュージョン / プリン受容体 / バゾプレッシン / CFTR / 単離膵導管細胞 / PLA_2 / Ca^<2+>オシレーション |
研究概要 |
1.モルモットの膵臓から単離した小葉間膵管を管腔内微量灌流した。膵導管細胞において、Na^+-HCO_3^-共輸送体は基底膜に存在し細胞内へのHCO_3^-の蓄積を担っていると考えられた。管腔膜側からHCO_3^-を加えても細胞内にはほとんど取り込まれず、この性質が膵管腔内のHCO_3^-を高濃度に保っていると考えられた。メカニズムとしては管腔内のHCO_3^-によるCl^-/HCO_3交換輸送体の抑制が推定された。セクレチンで刺激し管腔内を高HCO_3^-液で灌流すると、細胞内Cl^-濃度は約7mMであり、細胞内HCO_3^-濃度(約20mM)に比べて低かった。これは高濃度のHCO_3^-分泌に有利に働き、管腔膜のHCO_3^-輸送がHCO_3^-コンダクタンスを介することを示唆している。 2.RT-PCR、組織免疫を用いて膵導管細胞に発現する水チャネル(アクアポリン)がAQP1であること、およびこの分子が水輸送のほとんどを担っていることを示した。 3.バゾプレッシンは水分泌を抑制し細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を引き起こした。5-HTは0.1μMという低濃度で、Na^+-HCO_3^-共輸送体を阻害し水分泌を強力に抑制した。導管上皮内のEC細胞に含まれる5-HTを介する局所的な膵液分泌調節機構の存在を示した。 4.エタノールは1mM(ビール150ml程度の飲酒後の血中濃度に相当)という低濃度で,セクレチン刺激下において膵導管細胞からの水の過分泌(60〜70%の増加)および細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を引き起こした。作用が早く可逆性であったことから、エタノールはいずれかのイオンチャネルに直接影響を与えた可能性が高い。膵管内にprotein plugや粘調な膵液が存在する場合には、膵導管細胞からの水分泌が急激に増加すると膵管内圧が上昇すると推察される。アルコール性慢性膵炎の発症/進展の機序としての可能性を示した。
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