配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
2つの活性型ヒト炭酸脱水酵素(carbonic anhydrase ; CA)(CA VB, CA XIV)と2つの炭酸脱水酵素-関連蛋白(CA-related protein ; CA-RP X, CA-RP XI)のcDNAクローニングを行った。CA VBはミトコンドリアに存在し、CA XIVは細胞質膜貫通型蛋白であった。CA-RP X, CA-RP XIの細胞内局在は不明であるが、アミノ酸配列の検討より非活性型のアイソザイ厶であることが明らかとなった。ヒト膵臓ではCA II, CA lV, CA VB、CA VI、CA IX, CA XII, CA-RP X, CA-RP XIのmRNAの存在が確認された。また、免疫組織学的検討により膵臓の外分泌腺細胞におけるCA-RP VIIIの発現が確認された。以上の結果およびこれまでの報告より膵臓の膵導管細胞にはCA II, CA IV, CA IX, CA XIIが比較的特異的に存在することが推測された。 上記の結果をふまえ、自己兔疫性膵炎(autoimmune pancreatiti ; AIP)患者においてCA II, IV, IX, XIIに対する血中抗体を測定した。その結果の抗CA IXおよび抗CA XII抗体は患者および健常人で全く認められなかったのに対し、抗CA IIおよび抗CA IV抗体が特発性慢性膵炎80人中24人(30%)と4人(5%)、健常人30人中3人(10%)と1人(3%)で認められた。CA IIはほとんどすべての臓器で発現がみられるのに対し、CA IVは膵臓をはじめとする外分泌腺組織の導管細胞で特異的に発現されている。AIPやこれに合併するシェーグレン症候群や原発性硬化性胆管炎は病理学的には導管炎を示すことより、CA IVに対する免疫応答が特発性慢性膵炎、特に自己免疫性膵炎の病因に何らかの役割を担うことが示唆された。
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