研究課題/領域番号 |
11470143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
川並 汪一 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (70096973)
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研究分担者 |
藤原 正和 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (20312069)
金 恩京 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (10312068)
ガジザデ モハマッド (モハマッド ガジザデ) 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (30190979)
江見 充 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (90221118)
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
大國 寿士 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (60060365)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 肺胞毛細血管 / 血管内皮細胞 / プロテアーゼ活性化受容体 / トロンボモジュリン / トロンビン / 肺腺癌 / 肺傷害 / セリンプロテアーゼ / VEGF / KDR / Flt / laser capture microdissection / confocal laser scanning microscope / RT-PCR / 肺微小血管 / 気管支動脈 / 肺動脈 / 内皮細胞 / 凝固因子 / 抗凝固因子 / マトリジェル |
研究概要 |
肺微小血管内皮細胞を標識プローブにより機能的側面から解析する目的で研究を遂行してきた。微小環境で組織ホメオスターシスを維持するため毛細血管は臓器、組織特異性の高い機能を備えている。しかし、呼吸中枢である肺胞毛細血管の機能形態学的研究はほとんど進んでいない。われわれは肺胞壁のsingle capillary unitに注目しその特徴を理解すべく電子顕微鏡、レーザー共焦点顕微鏡と、レーザ-マイクロダイセクション法により肺胞壁のみを採取しRT-PCR法でmRNAの発現を分析した。その結果、1)肺胞毛細血管内皮細胞は通常標識される凝固因子von Willebrand factor(vWf)を発現せず抗凝固因子(トロンボモジュリン;TM)が優位に出現し、2)肺胞傷害や腫瘍細胞の肺胞壁への浸潤に際し、これらの標識因子の発現は逆転しvWfが単独に発現した。その際、肺胞壁は線維化傾向を示し内皮細胞は本来のガス交換機能と異なる新たな修復機能を発揮した。3)興味ある標識プローブとしてprotease-activated receptor(PAR)と称するG-protein受容体とそのリガンドであるthrombinその他のserine proteaseがある。この受容体の活性化により内皮細胞はTMを消失させvWfの産生を促された。またVEGFとの相乗作用で増生傾向を獲得した。4)同時に肺胞壁の線維芽細胞も活性化される可能性を確認した。従来より肺胞壁の修復過程には上皮細胞や炎症細胞がその主役を果たすと見なされてきたが、この研究により内皮細胞はきわめて多彩で重要な機能を発揮する事実を証明することが出来た。当グループはこれらの研究から、肺の修復機序の最終段階である肺線維症の発生に関しても、少なくも傷害当初において肺胞毛細血管が重要な役割を果たすものと見てこの領域で研究課題を展開させつつある。
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