研究課題/領域番号 |
11470147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有村 公良 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20159510)
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研究分担者 |
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
納 光弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10041435)
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
梅原 藤雄 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20271140)
北島 勲 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (50214797)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | Crow-Fukase syndrome / POEMS syndrome / VEGF / platelet / megakaryocyte / transgenic mouse / naked VEGF cDNA / neuropathy / nude mouse / matrix metalloproteinase / isoform / intraneural injection / coagulation / glioblastoma |
研究概要 |
1996年にCrow-Fukase症候群において血清中のVEGFが著明に増加していることを報告(Lancet;1996)して以来、国内外の施設においてその事実が追試・確認され、これまで困難であったCIDP (chronic inflammatory demyelinating polyneropathy)や多発性骨髄腫との鑑別が容易となった。それはまた、VEGFが本症候群の病態に密接に関与していることを裏付ける結果ともなった。血清中に著明に増加しているVEGFはすべて血小板由来であり凝集反応の際に放出されることを証明した。またこのVEGF放出反応はADPなどの血小板凝集アゴニストの生理的濃度において認められることを証明した。本症候群において末梢血血小板数は治療前ほぼ全ての症例において高値を示し、血清VEGF濃度とは有意に正の相関を示した。本症候群においてVEGFが血小板に高濃度に存在することにより血管内皮細胞上でのVEGFの局所濃度は更に高まり血管透過性亢進、血管新生、凝固反応の亢進、単球・マクロファージの遊走等の生理活性が加速されると予測される。事実、培養血管内皮細胞の増殖反応は患者血清による刺激では亢進しなかったが、濃縮した血小板の抽出産物を用いることにより亢進を認めた。また血小板細胞質内のVEGFをflow-cytometry、immunofluorescence-confocal laser scanning microscopyにて確認した。また1患者において血清VEGFを診断からDIC発症による死亡にいたるまでフォローし得る機会を得た。その結果、患者の血清VEGFはDIC発症前には低下傾向を示し,血清VEGF値がDIC発症の予知的マーカーになることも示すことができた(投稿中)。これらのことから血小板VEGFの過剰蓄積と本症候群の病態には密接な関係が予測されるが、この仮説を立証するためにVEGF血小板特異的発現トランスジェニックマウスの作成を試みた。血小板特異的にVEGFを発現させるため、血小板第4因子のプロモーターの下流にLox P-EGFP-Lox P-VFGF165の構成を持つコンストラクトを作成した。3系統のF0マウスを得ることに成功し現在F1マウスを取得中である。本マウスの解析により、血小板VEGFの本症候群の病態への関与のみならず、血小板VEGFの生理的機能の解明、例えば創傷治癒、動脈硬化、血管新生、血管リモデリングへの関与の機構も明らかになると期待している。
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