研究課題/領域番号 |
11470161
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
|
研究分担者 |
岸本 一郎 財団法人生産開発科学研究所, 研究員 (80312221)
細田 公則 京都大学, 人間環境学研究科, 助手 (40271598)
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
|
キーワード | ANP / BNP / GC-A / ノックアウトマウス / MMP / Pセレクチン / 虚血再灌流傷害 / AT1 / NF-κB / 線維 / GC-Aノックアウトマウス / BNPトランスジェニックマウス / AMI / 虚血再灌流モデル |
研究概要 |
本研究では、まずマウスのin vivoにおける心不全・心筋梗塞等の研究を遂行するために、マウスに於ける心筋梗塞と虚血再灌流モデルを確立した。 BNP-TGマウスを用いた研究;BNP-TGマウスは、肝臓にてマウスBNPが高発現し循環血中濃度が数ng/mlに達するモデルである。このBNP-TGに急性心筋梗塞を作製すると、作製後3-5日で死亡するマウスが野生型マウスより有意に頻度が高くその死因がほとんど心破裂であることが明らかになった。BNP-TGでは、梗塞巣に白血球浸潤が野生型と比べ多く、同時にmembrane metalopr ot eaase-9(MMP9)の発現がTGマウスで有意に亢進していた。 GC-Aノックアウトマウスを用いた研究:急性心筋梗塞症では発症24時間以内に血中BNP濃度の急峻且つ高度の上昇が認められるが、急性期の虚血再灌流傷害に及ぼすANP系の作用を研究する目的でGC-Aノックアウトマウスに虚血再灌流モデルを作製した。再灌流6時間後、および2日後に組織を切り出し梗塞サイズ、浸潤細胞に関して検討した。GC-Aノックアウトマウスでは梗塞サイズが野生型マウスと比べ有意に梗塞サイズが減少していることが証明された。また、浸潤細胞数、MPO活性を検討するとGC-Aノックアウトマウスでは浸潤細胞数が減少し、MPO活性も減少していた。さらに、この白血球浸潤の減少には虚血再灌流後に冠動脈血管内皮細胞に発現するPセレクチンの発現がGC-Aノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて有意に減少していることが観察された。このPセレクチンの発現低下が白血球の内皮へのrolling attachmentを抑制させ梗塞サイズの現象に繋がったものと理解された。この結果からGC-Aノックアウトマウスでは、当初は心保護効果により虚血再灌流傷害が増強することを予測していたが結果は予想外であり、炎症急性期に於けるANP系の新たな役割が示唆された。
|