研究課題/領域番号 |
11470164
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江頭 健輔 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (60260379)
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研究分担者 |
市来 俊弘 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (80311843)
内海 英雄 (内海 秀雄) 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20101694)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
中山 敬一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80291508)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 遺伝子導入 / 一酸化窒素 / NF-KB / 単球走化因子 / 動脈硬化 / 炎症 / 繊維化 / 血管内皮 / アンジオテンシンII / 転写因子 / monocyte chemoattractant protein-1 / ケモカイン / アポE欠損マウス |
研究概要 |
本研究の目的は、一酸化窒素産生抑制ラットモデルにおける血管壁再構築の分子機序を明らかにすることである。研究成果を以下のまとめる。 1.炎症性増殖性変化 正常ラットにNO合成阻害薬(L-NAME)を投与すると、7日以内に冠血管壁に炎症性変化{単球の浸潤、monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)産生、myofibroblast出現、など}、増殖性変化(PCNA陽性細胞の増加)、が生じた。28日以降に血管壁の構築異常が生じた。 2.酸化ストレスの増加 内皮NO産生抑制によって血管壁からの活性酸素種の産生が増加した。また、酸化ストレスによって活性化される転写因子(NF-κB、AP-1)の活性の増加を認めた。 3.局所アンジオテンシン系の活性化とその重要性 局所ACE活性は上記炎症性変化や酸化ストレスの増加とほぼパラレルに増加した。上記炎症性増殖性変化、MCP-1発現、NF-κB活性化などはすべてangIIAT1受容体拮抗薬によって抑制された。この成績から、局所angII系の活性化が内皮NO産生抑制による血管壁再構築に中心的役割を果たすことが明らかとなった。 4.NF-κBならびにMCP-1の重要性 「decoy strategy」を用いてNF-κBの機能をブロックすると上記炎症性増殖性変化とMCP-1発現増加が抑制された。また、変異型MCP-1遺伝子導入によってMCP-1シグナルをブロックすると炎症性増殖性変化が抑制できた。したがって、局所angII⇒酸化ストレス⇒NF-κB⇒MCP-1発現増加が内皮NO産生抑制による血管再構築の分子機構の中心経路である。 結論 内皮NOは局所angII系を抑制することよって血管壁の病的再構築を少なくすることが明らかとなった。内皮NOの抗動脈硬化作用はこの機構によってもたらされている可能性がある。内皮NO活性を保つことが冠危険因子による血管病治療の新たな標的となるであろう。
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