研究課題/領域番号 |
11470194
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
|
研究分担者 |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
安達 正晃 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70240926)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 放射線誘発アポトーシス / 放射線感受性 / MEK / ERKシグナル / ミトコンドリア膜電位 / カスペース活性化 / ウイルスベクター / Caspase8 |
研究概要 |
1.放射線照射後のアポトーシス関連蛋白の挙動について 1)放射線照射後に生じるアポトーシスは、カスペースの活性化非依存性に生じうるものであることを見出した。 2)カスペースの活性化を抑制された細胞で、コントロールと同程度に放射線照射後にミトコンドリア膜電位の障害が起こることから、カスペース活性化とミトコンドリア膜電位の障害は独立した二つのシグナル経路によって活性化されているものと思われる。 3)TPAによるMEK/ERK活性化シグナルによって、放射線照射後に生じるアポトーシスが阻害されることを見出した。MEK/ERK活性化シグナルは、カスペースの活性化を阻害するのみならず、ミトコンドリア膜電位の喪失を阻害し、放射線照射後に生じるアポトーシスを抑制していた。したがって、MEK/ERKシグナルは二つの独立した経路を抑制しているものと思われる。また、MEK/ERKシグナルによるアポトーシス抑制効果は、カスペース非依存性であること、さらにミトコンドリア膜電位の喪失と細胞死が、明らかな関連性を示していたことなどから、放射線照射によるアポトーシスは、ミトコンドリア膜電位の喪失が決定的要因となるものと思われる。 従って、放射線誘発アポトーシスの過程において、ERKの活性化によりカスペースの活性化とミトコンドリア傷害の双方が抑制され、癌細胞の放射線感受性が低下することを見出した。また、本研究によって放射線誘発アポトーシスは、カスペース非依存性のミトコンドリア傷害に依存しており、カスペースの活性化は必須でないことが示唆された。これらの分子機構を調節することによってアポトーシスを利用した放射線感受性の調節法が開発されることを見出すことができた。 2.遺伝子導入ウイルスベクターの作製 BAD遺伝子導入ワクシニアウイルスを製作したが、ウイルス自体による細胞毒性が強く現段階ではBADの放射線誘発アポトーシスにあたえる影響を評価することは困難であった。
|