研究課題/領域番号 |
11470205
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
一瀬 白帝 山形大学, 医学部, 教授 (10241689)
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研究分担者 |
久野 しおり(小関 しおり) (小関 しおり / 久野(小関) しおり) 山形大学, 医学部, 助手 (70312741)
惣宇利 正善 山形大学, 医学部, 講師 (20292419)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 細胞内移動 / 遺伝的多型性 / 酵母Two-hybridアッセイ / 遺伝子ノックアウト / 遺伝子変異 / XIII因子欠損症 / 子宮内出血 / 自然流産 / トランスグルタミナーゼ / 遺伝子発現 / 放出機構 / マウスゲノム |
研究概要 |
(1)XIII因子Aサブユニット(XIIIA)を合成する骨髄系細胞株及び肝癌細胞株を培養したところ、これらの細胞内のXIIIAタンパク質は培養日数と共に増加し、継代を重ねることに.よっても発現量が増加した。各種の分化・増殖の刺激によっても発現量は変動するが、その際XIIIA遺伝子のcis-elementへの一部の転写因子の結合量の変化が認められた。これらは加齢と共に血中XIII因子濃度が増加することに合致する所見である。 XIIIAの細胞内局在を検討したところ、最初サイトゾルに分散した染色パターンが、時間の経過とともにフィラメント様構造および核様染色パターンに変化するなど、細胞内での存在様式の大きな変化が見られた。細胞内移動のメカニズムに興味が持たれるので、two-hybrid systemを用いて結合蛋白質を同定しつつある。 (2)各種の変異を導入したcDNAと野生型(正常)のcDNAを、ヒトや動物由来の各種の培養細胞に導入、発現させたところ、変異サブユニットは細胞内で速やかに分解されることが分かった。変異XIIIAの分子量をゲル濾過クロマトグラフィーにて分析したところ、単量体であり、Bサブユニットとの結合能も失っていた。従って、変異による構造変化の結果、XIII因子欠乏に至るものと推定される。 (3)XIIIA遺伝子を標的したノックアウトマウスと野生型の組合せ4種類の交配を行なうと、XIIIA KO同士では野生型同士の交配に比べて出産数が少なく、自然流産を頻回に起こす妊娠雌マウスが多く見られ、膣からの大量出血で死に至った。病理診断の結果、子宮内胎児死亡、ならびにこの胎児でのSpongiotrophic Zoneの発育不全が示唆された。連続薄切切片では、母体側の胎盤絨毛部位での明らかな出血性病変が認められた。これらの所見はXIII因子が妊娠期における子宮内止血に重要な役割を果たしていることを示唆している。
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