研究課題/領域番号 |
11470211
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河野 道生 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40161343)
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研究分担者 |
津山 尚宏 山口大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10335747)
石川 秀明 山口大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40294623)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 骨髄腫 / 未熟型骨髄腫細胞 / 骨髄腫細胞分化 / STAT1 / STAT3 / IL-6 / SCIDマウス / 分化誘導療法 / 骨髄腫細胞 / 形質細胞分化 / CD19 / Pax-5 / Lyn / MAPK |
研究概要 |
本研究では、未熟骨髄腫細胞株が成熟骨髄腫細胞へと分化する系を確立し、その分化誘導に関与するシグナル伝達経路を明らかにすることにより、ヒト骨髄腫における新たな治療戦略としての分化誘導療法の基礎を確立することを目的とした。骨髄腫患者の骨髄穿刺液から分離された骨髄腫細胞を既に確立されているSCID-hIL6 Tg miceの腹腔内ヘアガロースゲルとともに移植することにより、約12週後にマウス腹腔内で生存増殖する細胞を回収することができた。この回収した細胞をin vitroで培養することにより、未熟型骨髄腫細胞を株化することができた。これらの未熟型骨髄腫細胞株の中から、IL-6により分化し得る細胞株Y01をはじめて樹立した。骨髄腫細胞株Y01をIL-6で刺激すると、細胞内のSTAT3活性化とMAPK(ERK)活性化が認められたが、加えてSTAT1の活性化も見られた。STAT1の活性化はIL-6依存性増殖骨髄腫細胞株では見られないものであり、分化能のあるY01細胞株に特徴的であることが明らかとなった。MAPKの活性化は分化反応には関与していないこともわかった。更に詳細な機構を解析するために、Hela細胞株へのtag化したSTAT1、STA3遺伝子導入実験を行い、STAT1活性化の機構を検討した。現時点の研究結果では、Y01細胞株の分化誘導の詳細な機構の解明は不十分であるが、今後Hela細胞株での再構築実験系などでの詳細な解析により、分化誘導に関与する分子や遺伝子発現が明らかにできるものと思われる。これらの結果を踏まえた新たな骨髄腫の治療戦略として、分化誘導の視点からの方策が発展することが期待される。
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