研究課題/領域番号 |
11470244
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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研究分担者 |
寺嶋 宏明 (寺島 宏明) 京都大学, 医学研究科, 助手 (40314215)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
山内 清明 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00291427)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 異種灌流 / Kupffer細胞 / 肝臓 / 補体 / 遺伝子導入ブタ / hDAF / 異種免疫反応 / 補体抑制蛋白 / 溶血 / 人工肝臓 / 異種反応性自然抗体 / フローサイトメトリー / リンパ球表面抗原 / 体外灌流 |
研究概要 |
1.異種免疫反応における肝特異的非実質細胞の役割についての検討 摘出ラット肝をヒト血液で灌流し、肝特異的細胞である肝類洞内皮細胞およびKupffer細胞の活性化について検討した。異種灌流肝では異種免疫反応に伴う補体の活性化が類洞内皮を傷害して門脈灌流圧の上昇を伴う微小循環不全に陥り、肝小葉内広範囲の虚血壊死やサイトカイン・接着分子の発現の低下をきたす。gadolinium chlorideでKupffer細胞を不活化したラット肝臓にヒト血液を灌流すると肝臓組織障害は増強し、in vitroの検討ではKupffer細胞がヒト補体(C3)を貪食する事が確認された。これにより異種免疫反応における肝臓の臓器障害の軽減にはKupffer細胞が強く関与していることが示唆された。 2.ヒト補体活性抑制蛋白遺伝子を導入したブタ肝臓を用いた異種免疫反応の抑制についての検討 ヒト補体活性抑制蛋白であるhuman Decay Accelerating Factor (hDAF)遺伝子を導入したブタ肝臓と野生型のブタ肝臓を摘出し、霊長類である健常ヒヒと交差灌流を行った。野生型ブタ肝臓では10時間の交差灌流を行った症例は異種免疫反応に起因する溶血により急性腎不全で2日後に死亡したが、交差灌流を4.4±1.2時間(N=5)で中止した場合には溶血は認められず1年以上生存した。一方、hDAF遺伝子導入ブタ肝では、5例中3例で24時間(平均20.4±5.1時間)の安定した交差灌流が可能でブタ肝臓の機能も良好であり、ヒヒに重度の合併症を認めず、1年以上生存した。また免疫組織学的検討では、ブタ肝臓の肝類洞内皮への細胞膜障害複合体(補体成分C5b-9)沈着が抑制されていた。hDAF遺伝子導入ブタ肝臓は異種免疫反応の抑制に効果があることが確認された。
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