研究分担者 |
池中 一裕 岡崎生理学研究所, 神経情報, 教授 (00144527)
中根 恭司 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60155778)
奥村 俊一郎 関西医科大学, 医学部, 助手 (00319617)
山道 啓吾 関西医科大学, 医学部, 講師 (70291804)
大草 世雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (80247907)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
胃癌にはスキルス胃癌のように異常な浸潤性増殖を示す極めて悪性度が高いもがあり,胃癌を制圧するためには,胃癌増殖の分子機構を解明することが重要である。胃癌の発生,発育に関与する特異的な遺伝子の同定を目的に,接触性発育阻害(contact inhibition)の消失を指標としたfunctional cloning(機能発現クローニング)法を用い,検討を行った。臨床材料を用いた遺伝子ライブラリーは,最終的に1.0x10^6/ml(ウイルス上清)以上の高力価を実現することができ,少量の臨床検体から作成したライブラリーでも十分なスクリーニングが行うことが可能であった。また,正常線維芽細胞の接触性発育阻害の消失を指標とした機能発現クローニングでは,FGFR, EF-1, TPRCなど既知の癌関連分子の遺伝子をクローニングすることができ,今回のスクリーニング法は、癌の増殖能に関連する遺伝子のクローニングに適していると判断された。この方法で胃癌より回収された細胞増殖活性の強い遺伝子が,全長シークエンス解析によりG-protein coupled receptor (GPR)遺伝子の一種であることを確認した。さらにそのaltanating splice産物と思われる遺伝子も確認した(cDNA clone 56.2 : GPR35aおよびcDNA clone 72.3 : GPR35b)。臨床から得た各種胃癌組織に対しRT-PCRによる半定量を行い、組織型別の発現量を検討したところ、GPR35bはGPR35aに比べ発現量は多いが、微量ではあるが正常部位にも発現しており腫瘍特異性はGPR35aのほうが高かった。また、GPR35aは高分化型胃癌における発現が低分化型胃癌より高い傾向にあった。これら遺伝子の発現は種々の胃癌細胞で確認され,胃癌の発生,増殖に関し,重要な役割を担っていると考えられた。
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