研究課題/領域番号 |
11470295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80191899)
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研究分担者 |
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80196188)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70134103)
大和田 敬 京都府立医科大学, 医学部, 助手
小堀 信秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00254334)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 高LET放射線(BNCT) / アポトーシス / アンチセンス / GFAP / telomerase / イノシトールリン脂質代謝 / PI3キナーゼ / wortmannin / 高LET放射線 / PI3 kinase / Wortmannin / 脳腫瘍 / 高LET放射線治療 / 放射線壊死 / イノシトールリン脂質 / スフィンゴミエリン代謝 / ジアシルグリセロール / ポジトロンCT |
研究概要 |
(1)高LET放射線による脳実質細胞における放射線壊死誘発機序の分子生物学的解明. 本研究では高LET放射線治療によるDNA損傷に起因する細胞死と、DNA損傷に起因しない細胞死、すなわち細胞膜からの死のシグナルによるアポトーシスをそれぞれ分子生物学的な手法をもちいて画像化を試みた.例えば^<11>C-セラミドを用いた実験では中性子捕捉療法による高LET照射後6時間より標識セラミドの取り込み上昇を認めた.これはTUNEL法によるアポトーシスの検出が照射18時間以降に現れることから見てもアポトーシスの極めて早期の段階を捉えていると考えられる.本研究での最大の成果の一つにポジトロン標識アンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いる新しい技術が生み出されたことである.脳腫瘍におけるGFAP mRNA発現のin vivo画像化、そしてtelomeraseのmRNAのin vivo画像化などの新規遺伝子発現の画像化技術はこの研究にて生まれた. (2)放射線反応性組織と腫瘍再発の関連性について. ラット正常脳において増殖因子により急激なイノシトールリン脂質回転の変化が認められた.これは放射線障害が誘導する反応性細胞が過剰な増殖因子を分泌すれば再増殖につながる可能性が十分にある事を示唆した.さらにラット正常脳を用い、10Gy照射後にイノシトールリン脂質代謝を測定した結果、照射6時間後に活性が上昇し持続した.このことより増殖因子による急激なイノシトールリン脂質回転の変化が再発に関与する可能性が考えられた. (3)放射線壊死の防御法の開発. 放射線壊死の防御薬剤の開発についてはPI3 kinase(PI3K)の役割が重要であることが明らかになった.生存シグナルにPI3Kが関与し、NGFによる生存促進作用はPI3K阻害剤(wortmannin)で抑制された.したがってPI3Kを抑制すると、放射線の感受性が高くなり、死のシグナルが優位になる.一方、PI3KをNGFなどで亢進させると生存シグナルが優位になることが明らかになった.従って細胞死のシグナルと生存シグナルのバランスを調節することが放射線壊死の防御法の戦略となる.
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