研究課題/領域番号 |
11470298
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
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研究分担者 |
篠田 淳男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306719)
池田 圭朗 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10222879)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
須川 誠 中外製薬(株), 主任研究員
星 道生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00265844)
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1999年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 単純ヘルペスウイルス / 浸潤抑制因子 / 抗ウイルス免疫 / 特異的プロモータ / Musashi-1 / 脳腫瘍 / サイトカイン / 遺伝子治療 |
研究概要 |
複製型ヘルペスベクターを用いたウイルス療法の安全性の確認を行い、さらにウイルスを投与後に腫瘍内で抗ウイルス免疫を抑制し抗腫瘍効果の増大を図る研究を行った。さらに、ウイルスの腫瘍特異性を高めるため、悪性グリオーマ特異抗原としてMusashi-1に着目しそのプロモーター活性を解析した。(1)TIMP2、INFγを発現するHSV vectorを作成した。局所投与では、G207のみ、G207+IFNγ、G207+TIMP2、G207+IFN+TIMP2の順に効果の増大が認められた。HSV-G207をヘルパーウイルスとして機能遺伝子を同時発現するHSV vectorを開発し、TIMP2とIFNγを付加することで治療効果が増強することが判明した。毒性減弱型G207は、膀胱内投与や静脈投与が副作用無く可能であることが示唆された。(2)TIMP2発現HSVベクターを高濃度に濃縮し、生存解析上十分な治療効果を示す濃度にて、正常マウス脳内に注入したのち、各臓器別にウイルスによる傷害が起こっていないかどうかを、組織および免疫化学的に解析したところ、明かな傷害は認められなかった。(3)化学療法(MCNU+VCN)中の患者血清では、抗ウイルス活性は有意に抑制されていた。抗ウイルス免疫を抑制するためシクロホスファミドをウイルスと同時に腹腔内投与したところウイルスの不活化が有意に抑制され、動物実験で抗腫瘍効果の有意な増加を認めた。(4)Musashi-1プロモータ下流にLacZを挿入し各種グリオーマ細胞株に遺伝子導入したところ、他の細胞株と比べてグリオーマで有意なプロモータ活性をしめした。このことは、Musashi-1プロモータによりウイルス複製を制御させることによって、より特異性の高い治療用ベクターが開発出来ることを示唆している。
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