研究課題/領域番号 |
11470318
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
多賀 紀一郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00163329)
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研究分担者 |
佐藤 一範 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (70126415)
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 助教授 (70181419)
渡辺 逸平 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (00251819)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 脳虚血 / 虚血耐性 / 膜電位感受性色素 / 近赤外光 / ビオエンハンス / 海馬スライス / 興奮伝搬 / 膜電位 / MAP-2 / 樹状突起 / ビデオエンハンス |
研究概要 |
本研究は以下のような検索を中心に進められた。 1.吸入麻酔薬や瀞脈麻酔薬が薬剤それ自体、またはその濃度変化が虚血耐性獲得の必要条件であるCortical Spreading Depression(以下CSD)の誘発に対していかなる影響をおよぼすかを検索した。 Wistar系雄性成熟ラットを用いた。その結果、ハロセン、イソフルレンでは吸入濃度が増加するにつれCSDの発生頻度が有意に減少していったが、セボフルレンではその減少の程度が他の吸入麻酔群と比較して有意に小さかった。最大反応潜時についても全吸入麻酔群において吸入濃度が増加するにつれて延長する傾向が認められたが、各吸入麻酔群間では有意差は認められなかった。CSDの振幅に関しては全吸入麻酔群において吸入濃度が変化しても有意な変化は観察されなかった。またCSD誘発に続いて発現する早期発現性遺伝子(c-fos)は、麻酔薬や麻酔深度とは関係なくCSDの煩度に関係していることがわかった。 2.虚血から種々の経過時点における砂ネズミの脳切片標本の神経興奮伝搬の変化を、膜電位感受性色素を利用した膜電位画像で解析・検討した。 イソフルレン麻酔下で両側の頸動脈を露出した後、皮膚を縫合したものを対照群。同様に5分問の頸動脈閉塞を施行後、閉塞を解除したものを虚血群、2分間の頸動脈閉塞を施行・閉塞解除1日後に再度5分問の頸動脈閉塞を施行したものを耐性群とした。それぞれ疑似手術または5分間虚血から1日、8週間および6ヶ月経過後に海馬スライス標本を作製し、膜電位感受性色素で5分間染色。染色後スライスの海馬CA1領域を電気刺激し膜の脱分極伝搬を観察した。その結果対照群では全経過において最も興奮伝搬が広範に観察され、膜の脱分極は刺激近傍のみならず錐体層を超えて別の層まで伝搬して行く様子が認められた。虚血群では虚血1日後から対照群に比較して有意に興奮伝搬範囲が狭く、8週後ではさらにその範囲の縮小が認められ、6ヶ月後では興奮は刺激電極周囲しか観察できなかった。耐性群においては丁度対照群と虚血群の中間程度の興奮伝搬範囲と形態学的変化を呈し、興奮伝搬は別の層まで伝搬していく様子が観察された。
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