研究課題/領域番号 |
11470330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
太城 力良 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
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研究分担者 |
辻本 三郎 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00144254)
村川 和重 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70104263)
何 艶玲 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (70233640)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 胎盤移行 / 胎盤潅流 / プロポフォール / p-glycoproteion / シクロスポリン / 薬効動態 / 胎盤透過性 / タンパク結合 |
研究概要 |
「ヒト胎盤潅流モデルにおけるプロポフォールの移行」 帝王切開時に娩出した胎盤の1つの小葉を用いて胎児側や母体側潅流液のアルブミン濃度・血流量を変化させて母体-胎児側潅流液中のプロポフォール(P)の移行を調べた(single pass mode)。クリアランスとして求める時には、受動輸送の標準薬としてアンチピリン・クリアランスと比較した。その結果、(1)胎児側アルブミン濃度の上昇に伴い同側プロポフォール濃度とそのクリアランスは上昇したが、アンチピリンのクリアランスは胎児側アルブミン濃度に関係なく一定であった。(2)母体側アルブミン濃度の上昇によりプロポフォール・クリアランスは低下した。(3)母体側潅流液の流量増加により、胎児側プロポフォール濃度は漸増しアンチピリンについても同様であった。(4)胎児側流量の増加に伴うプロポフォール濃度変化はなく、移行総量を示すクリアランスは増加した。この時、アンチピリン・クリアランスは一定流量までは増加したが、それ以上ではプラトーとなった。(5)胎盤組織へのプロポフォール移行量は大きく潅流液濃度を上回った。以上の結果より、(1)従来の臍帯血/母体血の薬物濃度比のみで薬剤の胎盤移行率を求めるのは困難であること、(2)プロポフォールの胎盤移行を促進する因子は(1)臍帯血流↑、(2)胎児血Alb↑、(3)子宮血流量↑、(4)母体Alb↓、(3)胎盤組織自体の薬物取り込み量が多い、と考察した。 「P-glycoprotein阻害薬シクロスポリンによる脳組織プロポフォール濃度変化」 脂溶性薬剤の胎盤移行に絨毛膜に発現するp-glycoproteinが影響すると考えた(血液-脳脊髄関門にも発現してポンプ機能により脳内濃度を下げる)。in vivoラットにプロポフォールを静注し、を前処理することによりP脳内濃度や麻酔作用がどのように変化するか調べた。前処理により麻酔作用は増強・延長しP持続静注終了時の血中濃度は上昇し、覚醒時の脳組織P濃度は減少した。覚醒時の脳/血液濃度比は前処理にて増大した。その原因として分布容量の減少を考えた。
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