研究課題/領域番号 |
11470348
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 典正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00162321)
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研究分担者 |
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
小西 郁生 信州大学, 医学部, 教授 (90192062)
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263085)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2000年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1999年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | レプチン / トランスジェニックマウス / 生殖機能 / 卵巣機能 / 妊娠 / 摂食抑制 / 胎児発育 / 胎盤 / 交感神経系 / 高血圧 |
研究概要 |
レプチン過剰発現transgenic(Tg)マウスでは生殖機能の発現に必須であるとされる脂肪組織を肉眼的にも組織学的にも確認できなかったが、生後3週齢においてTgマウスの卵巣重量は対照群と比較して有意に大きく、組織学的にも個々の卵胞が増大し、顆粒膜細胞数が増加していた。性成熟の指標として腟開口を観察すると、Tgマウスでは平均27.7日で、non-Tgマウスの29.0日と比較して有意に早期に発来した。子宮重量は生後4週齢のTgマウスにおいてnon-Tgマウスと比較して有意に大きく、卵巣組織所見と合わせて、卵巣からの性ステロイドホルモン分泌の影響と考えられた。 一方、このレプチン過剰発現Tgマウスは生後14週以降になると、対照群では生殖機能が維持されているにもかかわらず、妊孕能が著しく低下した。この時、視床下部のGnRH含有量は有意に低下しており、また、外因性に投与したGnRHに対する下垂体の反応性(LH分泌)は低下していた。しかし、外因性にPMSGを投与するとTgマウスの卵巣には多数の卵胞発育が認められた。 以上より、レプチンが生殖機能の発現に重要な役割を果たしていることが示された。ただし、高濃度のレプチンが長期間存在した場合には、主に、視床下部・下垂体系に作用して生殖機能を抑制する可能性が示された。 つぎに、レプチンと胎児発育の関係を検討した。ヒトにおいてはレプチンは胎盤絨毛細胞から母体血中へと大量に分泌されている。妊娠中毒症合併妊婦のうち胎児発育遅延を認める群では胎盤におけるレプチン遺伝子発現が著しく亢進しており、かつ母体血中のレプチン濃度は有意に高値を示した。レプチン濃度と胎児発育度との間には負の相関が認められた。 以上より、レプチンはインスリン感受性の亢進を介して母体血糖値を低下させる方向に作用し、胎児発育と何らかの関連を有している可能性が示唆された。
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