研究分担者 |
高原 幹 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50322904)
古謝 静男 琉球大学, 医学部, 講師 (60161923)
青笹 克之 大阪大学, 医学部, 教授 (30115985)
坂東 伸幸 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60312469)
野中 聡 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (50180758)
小林 吉史 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70225556)
荻野 武 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00312455)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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研究概要 |
本疾患32例におけるp53遺伝子,β-カテニン遺伝子,およびN-,K-Ras遺伝子の変異についてPCR法にて得られた増幅産物を鋳型にしたダイレクトシークエンス法にて検討した。その結果,p53遺伝子変異は6例(サイレント変異2例とミスセンス変異4例),β-カテニン遺伝子変異は5例(サイレント変異3例とミスセンス変異2例)およびN-,K-Ras遺伝子は同一症例の1例に認められた。臨床像との関連性を比較したところ,これらの遺伝子のミスセンス変異群では有意に進行期例が多く,予後が不良であった.多変量解析の結果,p53遺伝子変異は独立した予後不良因子であることが確認された. 本疾患7例についてEBウイルスの発癌遺伝子LMP4、-2Aの遺伝子配列をPCRおよびnestedPCRにて得られた増幅産物を鋳型にしたダイレクトシークエンス法にて解析した.その結果,LMP4遺伝子では7例全てにC末端中30塩基、10個のアミノ酸欠失を認めた。また,B95-8株とは異なる1塩基変異を生じた部位は43所で、それにより22ヶ所のアミノ酸変異がみられた。塩基多型を認めた部位は11ヶ所存在し、その内アミノ酸多型は10ヶ所であった。これらの変異は過去の報告された上咽頭癌や鼻性NK/T細胞リンパ腫のものと極めて類似しており,癌原性に関与している可能性が示唆された.LMP-2Aについては7症例全てに細胞傷害性T細胞のエピトープをコードしているエキソン6中グアニンがシトシンとなる塩基置換があり、セリンがスレオニンとなるアミノ酸変異を認めた。したがって,本腫瘍細胞では細胞傷害性T細胞エピトープの一部に変異があり,その結果,宿主の細胞障害性監視機構から逸脱する可能性が示された.
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